第3話
「おぉ!ミーシャ様とルイ様だ!」
パーティーが開催されている広間に入る。
もうパーティーは始まっており、中に入ると貴族の方々が私たちのもとに集まってきた。
「ミーシャ様!あなたの本をお読みしました!詳しく魔術のことが書かれており、素晴らしかったです!」
「………」
私は無視したわけではない。人見知りなのだ。そしてそれに加えて引きこもりなのだ。人と会話するのには無理がある。
「失礼。ミーシャさんは人見知りなので返答できないことをお許しください」
「いえいえ。気にしていませんので。こちらこそとんだ失礼を……」
ルイさんが私の非礼を詫びてくれた。私に話しかけてくれた貴族の方はニコッと笑い許してくれた。
「ここは私に任せてあなたは端の方にいなさい」
「あ、ありがとうございます」
ルイさんが私の性格を読んでコソッと促してくれた。何から何まで感謝しかない。
そして私は隅っこに移動しボーッとしていた。
(みんな楽しそう。……仕事の話とかしてるのかな?)
私は隅っこからこの会場にいる貴族の人たちの様子を見ていた。
私とルイさんの他にも肩書きを持つ魔術師も数名きている。挨拶した方がいいのかと思うが全員、貴族の方と話しているので無理だった。
(そもそも人見知りなのに無理だよね)
私は挨拶することすらできないのだと思っていると1人の男性がこちらに近づいてきた。
私はとっさにフードをより深く被る。
(もしかして第1王子様?)
あの長身、金髪、水色の瞳。そしていかにも王子らしい服装。間違いない。クラウン王国第1王子、アーサー・クラウンだった。
「<天才魔術師>ミーシャさんで間違いないか?」
「ひゃ、ひゃい!」
私は近くにあるカーテルの後ろに隠れた。
これは非礼だがこの会場にいる全員がこちらに注目したので仕方がない。
「はは。あなたは面白い人だな」
「めめめめ、滅相もございません!」
人見知りながら頑張っていると我ながら思う。
「今日はあなたに伝えたいことがあるんだ」
「なななな、なんでひょうか!」
「私と婚約してほしい」
「へ?」
そして私は腰を抜かして気絶したのであった。
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