第2話

「王宮からの招待状です」

 <結界の魔術師>ルイ・シャルルの突然の訪問とともに私に渡された1枚の招待状。

 私は目深にフードを被り震える手で招待状を受け取った。

 招待状を読む前にルイさんに椅子と紅茶を出した。

 幸い紅茶が残ってて良かったと思った。

 そして招待状にはこう書かれてあった。

『招待状。

 <天才魔術師>ミーシャさん。

 この度、王宮で開催される交流パーティーに貴方を招待いたします』

「え……。パーティー?」

 私は短く書かれた文を読むとパーティーという言葉に青ざめた。

「ええ。私にもミーシャさんと同じ招待状がきましたのでご安心を」

 ルイさんが来てくれるのは安心だけれど私は行きたくないのである。だから答えは決まっている。

「……拒否します」

「王宮からの招待を断ってはダメでしょう」

「うぅ……」

 ルイさんは当たり前だというように私の拒否権は却下されてしまった。

「パーティーは1週間後です。まぁ、服装は魔術師の正装で。フードは今回は良しとします」

「あ、ありがとう……ございます」 

 フードが許可されただけでも良かったと思う。

 でも行きたくない。

 でも断れない。

 まさに最悪である。

「では1週間後迎えにきます」

「は、はい」

 ルイさんは紅茶を飲み干し帰って行った。


 ーーーーそしてパーティー当日。

 予告通りルイさんは迎えにきた。

「準備はできていますね?」

「あ、あの。やっぱり行かないと……ダメですか?」

 私が最後にダメ元で聞くとルイさんは盛大なため息を吐いた。

「ダメに決まっているでしょ。ここまできたらもう行くしかありませんし、当日に断るバカがいますか?」

「うぅ……」

「ほらほら。箒を持って出発しますよ」

 魔術師の移動の仕方は転移、または箒である。

 飛行術とも言われているが習得にはとても時間がかかる。

 私は運動音痴なので習得には標準とされている時間の倍かかった。

 そして箒で飛ぶこと数分。

 王宮の門前にルイさんと私は着地した。

 私とルイさんのように<〜の魔術師>という肩書きがあり、正装であれば王宮に出入り可能なのである。

「<天才魔術師>ミーシャ様と<結界の魔術師>ルイ・シャルル様ですね。どうぞお入りください!」

 門番に許可をもらい中に入る。

 ここからが私にとって地獄なのであった。














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