引きこもりで人見知りの天才魔術師は第一王子に溺愛される
ささまる
第1話
私は人見知りで引きこもり。
髪もボサボサで肌は白いし体も細すぎる。
そんな私は大陸で天才魔術師と呼ばれている。
誇るべきことなのにとてつもなく嫌。
嫌なのにも関わらず、それ以上にもっと嫌なことになってしまった…。
なぜこんなことになってしまったんだろう。
どうして……どうして引きこもりの私が…クラウン王国の第1王子に婚約の申し込みされてるのーーーー?!
ーーーー遡ること1週間前。
「ハァ。終わったぁ」
私は古いボロ小屋に1人で引きこもって暮らしている。
なぜなら最強の人見知りだから。
食べ物は1週間に1回、近所の人が届けてくれる。
だからなんの心配もなく引き込まれるし作業に没頭できる。
作業とは何かというと……。
得意な数字、つまり数学を活かして私が導き出した新たな魔術式に関する本である。
私は薬学にも精通しているしそれに関する本も出している。
だから<天才魔術師>なんて呼ばれるようになってしまった。
数字で魔術式を生み出すのは楽しいから本を書いたりするのは問題ない。
けれどこれは研究みたいなものなので人見知りである私にとって発表というのは地獄である。
……発表は1度もしたことないのだけれど。
しかし、発表ではないのだが私にとって地獄が訪れた。
「失礼しますよ?」
この声の主は私と同じ魔術師、<結界の魔術師>と呼ばれている男性……。
「どどどど、どうぞ……」
ボソッと私が言うと扉が開いた。
そして長身の美しい男性が入ってくる。
「相変わらずボロくて散らかっている部屋ですねぇ」
「ご、ごめんなさい。ルイさん」
ルイ・シャルル。薄茶の髪で金色の瞳をしている男性。いつもニコニコしているが目は笑っていない。
私にとって怖い人物の1人である。
「あなたに渡したいものがありましてね」
「な、なんでしょう?」
「王宮からの招待状です」
「え……」
私の波乱の幕開けの招待状であった……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます