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小学校中学年頃になると、学校ではいわゆるいじめのようなことが始まった。
たいていは幼稚園からの幼馴染が、意地悪を言い、誰かを仲間外れにする。
そのターゲットはころころと順番を変え、特に私はよくターゲットにされていた。
誰かを無視しよう、という話があっても途中で良心に負け、話しかけてしまう。
そういった私の行動は、幼馴染にとって目障りだったのだろう。
しかし当時の私は母から自分がされて嫌なことは人にしちゃいけないよ、と言われていたこともあり、立場を守るためにいじめに加わるもそれをやりきれない。
声がでかくよく喋り、利発的な私をグループから外し続けるのも惜しいから、適度なタイミングでターゲットが入れ替わる。
そんな微妙な立場を続けていた。
幼馴染のことは大好きだった。
幼稚園の時は二人でいると「サツキとメイみたいだね」とよく言われた。
私がサツキで、彼女がメイだったそうだ。
私は両親祖父母、とくに母からたっぷりと愛情を注がれ、もちろんいじめられれば泣いて過ごす日もあったが、基本的には自分の存在を確信していたのだ。
この世に居ていいものだ、私はここに生きて当然だと。
そんな確信を持った私が、よけいに幼馴染にとっては嫌だったのだろうと、今になっては思う。幼馴染からのいじめのような行為は、小学6年生になりクラスが別れるまで続いたのだった。
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