快水欲[親子丼][天狗]
「あれぇ奥さぁん。娘さんと2人っきり?旦那さんは一緒じゃねーのぉ?」
「ぽぽぽ」
「そうなんだ!ねえねえ、娘ちゃんはパパが居なくて大丈夫?ママだけじゃ寂しいでしょ?お兄さんが一緒に遊んであげよっか?」
「いやパパはお主じゃろ」
「そっか!やっぱりパパが居ないと寂しいか!それならお兄さんが遊んであげるよ!ほら奥さん。娘ちゃんは俺が面倒見ててあげるから、ちょっと休んでなよ。ずっと1人で子守りしてるの大変でしょ?」
「ぽぽぽぽぽ」
「大丈夫大丈夫。こう見えて俺、子供の相手得意だからさ!ゲヘヘ。ほら娘ちゃん。お兄さんとイイことして遊ぼうぜー!」
「お、おまっ……!ナニをするのじゃ……!」
「娘だけど娘じゃないから大丈夫でしょ。オッケーオッケー」
「いい感じに倫理観ぶっとんどるのぉ……!」
「ぽぽぽ!」
「おっと待てよ奥さん。下手な真似をすると娘ちゃんがどうなるか……分かるよなぁ?くくくっ、そこで大人しく指くわえて見てな!」
「ぽぽぽ」
「えっ、むしろ3人で楽しみたいと?ふっ、こいつはとんだドスケベママだな!こうなったら2人まとめて可愛がってやるよぉ!」
「ぽっ……//////」
「うひょー!親子丼だぜぇー!」
親子丼を美味しく頂きました。暑い夏にはやっぱりコレ!親子丼は最高だぜ!
◇
「はぁ……。例の巨大怪獣の出たって通報が合ったからすっ飛んで来たんスけど……。まるで何事も無かったかのように平和っスねー?どういうことなんスか、コレ……。断片の反応もまるで無し。もしかして無駄足っスか?はぁ……。それにしても今回の1件から不可解なことが多すぎるッス。アレが暴れ回って姿を消してから、その足取りが全く掴めない。ウチらの情報網をくぐり抜けるなんてホントどうなってんスかね。ウチらこれでも国でトップの諜報機関なんスけどね。ホントワケわかんねーッスよ」
「まあまあ。難しいこと考えずに折角の海なんだから遊んだら?」
「あああーーーーーー………………。それも……そうッスねーー…………。仕事なんかやってらんねーッスよー!最近は例の件で休み無しで働かされてストレスがマッハでしたし、ここでパーッと息抜きするっス!」
「あれ?もしかしてお姉さん1人?よかったらこれから俺と遊ばない?」
「おっ!?な、ナンパスッか!?」
「お姉さん可愛いからついつい声かけちゃった」
「そ、そうスッか?自分そんなついつい声かけちゃうぐらいに可愛かったスか?自分の溢れ出る魅力が抑えられ無かったみたいっスね!いやー、これは参ったッスねー!自分、まだ仕事中なんスけど……」
「いいじゃんいいじゃん!仕事なんか何時でも出来るから!折角、海来てるんだしさ?そんな暑苦しいスーツなんか脱いで水着に着替えよ?俺がお姉さんにピッタリの水着選んであげるからさ!」
「これがナンパ……!同級生が次々と結婚していく中、自分は仕事仕事で出会いもなければ
男っ気は全く無く、彼氏も出来ず、気がつけば三十路1歩手前……遂に自分にも春が来たってことッスか……。来てるッス。波が来てるッスよ。このままお持ち帰りされて既成事実作れば自分も遂に結婚……このビッグウェーブ乗るしか無いッスね!」
「ほらほらお姉さん。海の家に水着買いに行こ?それで楽しく一緒に海で遊ぼうぜ!」
「いやでも見るからにかなり若いッスね……。もしかして未成年……?犯罪になったりしないっスかね?でもでも、このチャンスを逃したらこれから先あのクソみたいな職場で出会いなんて……やっぱり行くしか無いッスね!水着に着替えるっスー!」
「おっ?お姉さんも乗り気になった?よし!それなら仕事のことなんて忘れてパーッと行こうぜ!」
「行くっスー!」
ナンパしたお姉さんと共に海の家で水着を買いに行った。
「ところでさ。お姉さん……普通の人間じゃないよね?」
「…………。…………なんで、それ……を……。…………そうッスね!自分は所謂混ざり者ッスよ!」
「あー、やっぱりぃ?混ざり者かー。うーん。そうだな。お姉さんに混ざってるのは……天狗とか、そこら辺かな?」
「大正解ッス!自分の家系は天狗の混血家系ッスね。それで代々、国の諜報機関で働いてるッスよ」
「もしかしてお姉さん『鴉』?」
「そうッス!それに自分こう見えて筆頭なんスよ!」
「おお!それは凄い!お姉さんなんか頭悪そうに見えて超優秀なんだね!うわー!めっちゃ尊敬するわー!」
「いやー!それ程でも……あるんスけどね!いいっすよ!もっと褒めて下さいッス!」
「優秀有能!おまけに可愛い!黙ってれば美人なのに口を開けばガッカリ美人!ホント可愛い!よっ!日本一!」
「そんな褒められたら照れっスよぉー!(デレデレ)」
「ところでさぁ。局って人外討伐をかがげてる癖に混ざってる人いっぱい抱えてるよね?」
「まあ。それは仕方ないっすよ。普通の人間じゃどうしたって限界があるッスから。そもそも混ざり者が居ないと成り立たないんスよ。アレッスね。毒を以て毒を制すって奴ッスよ」
「ふーん」
局のことはあまり好きでは無い、が。
世の中には極めて悪質で手が付けられず、どうしたって分かり合えないヤツも存在するのは確かで、それは対処しなくてはならない問題だ。
人間にとっては正義。俺にとっては必要悪か。
「そういやお姉さんの名前聞いてなかったけど……名前なんて言うの?」
「名前ッスか?自分は
「ツムジお姉ちゃんね。それじゃあツムジお姉ちゃん。今後ともよろしく」
「はい!自分に任せるッスよ!」
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