日常3
「おいッ貴様ァッ!その腐った性根を叩き治してやるッ!表に出ろッ!」
「ギャーギャーうるせぇなぁ……。オマエは委員長かなんかかよ。つーか、オレに指図すんじゃねぇよクソが」
「なんだその態度はッ!殺すぞッ!」
「あぁん?ヤレるもんならヤッてみろよ雑魚が」
キレ散らかして喚く赤鬼ちゃんを心底面倒臭そうに相手する怪獣ちゃん。賑やかでよろしいね。
生真面目な赤鬼ちゃんに対して、真面目さなんぞドブに捨てているであろう怪獣ちゃんの相性はどうにもこうにも悪いようである。
結局のところ怪獣ちゃんは我が家に住み着いた。
当初は「迷惑かけっから」とか言って宛のない旅に出ようとしたので「別に急いで出てく必要も無いでしょ?今日はゆっくりして出てくの明日にしよ?」と引き止め、次の日もまったく同じことを言って引き止め、その次の日もまったく同じことを言って引き止めを繰り返し続けた結果である。
「たくっ。弱ぇ癖にイキがりやがって。この雑魚が」
「くっ!このような辱めを受けるぐらいなら……いっそ殺せっ!」
赤鬼ちゃんはあっさり負けてしまった。地面に伏せる赤鬼ちゃんを怪獣ちゃんは容赦なく足蹴にする。ザッコォ。強者の雰囲気を纏ってるように見えるのにその見た目に反してクソザコすぎる。完全なハリボテ。我が家の中で一番弱く、序列最下位であるのに一番口煩い。口先だけのイキったクソザコ女に成り下がっている。まあ「私は屈しない!」からの即堕ち「くっ!殺せ!」はテンプレだからね。仕方ないね。
「粗茶」
「ん、くるしゅうない」
屈服させられる赤鬼ちゃんをのんびり眺めていると、メタルメイドが冷えた麦茶を持ってきてくれた。
「ちこうよれ、ちこうよれ」
「了承」
メタルメイドは麦茶を俺に受け渡し、そのまま隣に腰を降ろしてピタリとくっついてくる。
うむ。ヒンヤリしたメタルボディが冷たくて気持ちイイ。
「褒美を取らす」
「把握。魔導書断片を所望」
「それはならぬ」
「任務失敗。作戦変更。連続絶頂種付け本気交尾を所望」
「よかろう」
不穏な空気を出しながらも身の回りの世話をしてくれるメタルメイド。
「エリーちゃんの断片は渡せないけど、次みつけたらあげるよ」
「不要。目標取得後。帰還命令有り。目標未習得。帰還不可。現状維持最適。帰還拒否」
「帰りたくないのね?」
「否。目標取得困難。篭絡作戦継続必須。毎日交尾希望」
翻訳「いりません。目標を手に入れたら帰らなければなりませんが、手に入れてなければ帰る必要は無いので、このままでいいです。帰りたくないので。いや、帰りたくない訳じゃないですよ?ただ手に入れるのが難しいので、手に入れる為に私の人造ボディーで骨抜きにして差し上げる必要がある訳です。というわけで毎日セックスしましょう」と、おそらくはこんな感じだと思われる。なかなかいい性格してんなコイツ。好き。
すっかり我が軍門に下ったメタルメイドとイチャラブした。
◇
「だっこ。だっこ」
そう口にして両手を広げながらトテトテと寄ってきたのは市松人形ーー怨霊ちゃんである。
「はいはい」
「ナデて。ナデて」
「よしよし」
「ちゅーシヨ。ちゅーシヨ」
「ちゅっちゅっ」
「ベロちゅー。ベロちゅー」
「べろべろ」
「もっと。もっと」
「じゅるじゅる」
「また女ノコふエタ」
「増えちゃった」
「呪っちゅしよ。呪っちゅしよ」
「くっ……!背筋が凍って肩が重いッ……これが愛!」
「
「なにそのガチの地獄にありそうなヤツ」
「ちんちん呪流呪流スル」
「ナニにナニを流しこもうとしてるの?」
「ダイシュキほーるどする」
「流れ的に禍々しい何かに聞こえてしまう」
「赤イのぶしゅぶしゅカケて?」
「白いのびゅるびゅるがいいなー」
「お手て気持ちイイ。ワタシの手あげる」
「こらこら。いっぱいあるからって取り外したら駄目でしょ」
「食べて」
「食べるの?」
「食べて食べて食べて食べて食べて食べて食べて食べて食べて食べて食べて食べて食べて食べて食べて食べて食べて食べて食べて食べて食べて食べて」
「しょうがないなぁ。……ん?意外とコクがあって美味しい」
「食べチャッタネ?ケラケラケラケラケラケラッ!」
カタカタと口を鳴らしてケラケラ笑う怨霊ちゃん。
ホラーかな?
「何か悪いことした?」
「シテナイよ」
「嘘つけ!オラッ!白状しろ悪い子め!オラッオラッ!」
「ひんっ……!ゆるシテっ♡ゆるシテっ♡」
怨霊ちゃんと仲良しした。
最近は茶目っ気を出してよく呪詛を振りまいてくる。可愛いヤツめ。性欲は呪いなんかに屈しないんだからね!(?)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます