日常
なんかやんかあったが夏休みになった。
結局、鬼から人間に戻れず、帰ったら討伐されてしまうということなので鬼道も我が家で暮らすことになった。
「直ぐにでも局の連中が私を始末する為に襲撃してくるはずだ」
なんて、気が経っていた赤鬼ちゃんだったが、待てど暮らせど襲撃されることはなかった。赤鬼ちゃんの心配は杞憂と終わる。
まあ、俺が局の人に赤鬼ちゃんを引き取る旨を伝えていたからではあるのだけど、それを赤鬼ちゃんには伝えていない。
いや、ほら。そんな不安定な精神状態の時こそ、それから逃げるように快楽に溺れていくっていうシチュエーションはなかなかそそられるじゃん?そういうこと。
もっともっと、と。まるで不安を掻き消すように縋り付いて快楽を求めてくる様は非常に愛らしかったそうな。こうして赤鬼ちゃんとはズブズブの関係になっていく。
いい具合に仕上がってきたところで、そのことを全部、暴露してみる。
「貴様と言うヤツはッ……!このゲスが!」
キレられた。
「人の心を弄んで……何が目的だ!」
「くくくっ……。目的?吾輩の目的はオマエの身も心も我がモノへと堕とすことだ!」
「私は屈しないぞ!」
「口では強がっているが、身体の方は正直なようだな?」
「くっ……!このような辱めを受けるぐらいなら、いっそ殺せ!」
「殺しはせんよ。 オマエは今後一生、吾輩とイチャイチャラブラブしながら幸せな人生を送ってもらうからなぁ!ふははははっ!」
「くっ!身体は許しても、心まで許したりしない!私は絶対に屈したりしない!」
「彩世ちゃんしゅきしゅきだいしゅき」
「くっ!あっ……!そこ弱いところだから!んんんっ……!やだぁ!屈しちゃう!屈しちゃううう!」
赤鬼ちゃんはこのあとめちゃくちゃ屈した。
こうして我が家のモンスターハウス化は進み賑やかになっていく。
「ねえねえ。蓬くん。ボクらこれまでいっぱい子作りしてきたけど、子供はいつになったら出来るんだい?」
我が家の縁側で賢者タイムしていると、ひょっこり現れたのは子作り天使のシアリースである。
天使ちゃんは背後から覆いかぶさってきて、そのデカチチを俺の頭の上に乗せる。ふむ。この乳圧。素晴らしいね。
「そろそろ出来てるんじゃない?」
「そうなの?子供が出来たかどうかって、どうやったら分かるのかな」
「妊娠検査薬とか」
「そんなものがあるんだね」
天使ちゃんと一緒に妊娠の有無を確かめるため妊娠検査薬を買いに行くことにした。折角なのでついでにデートすることにした。
電車に乗って駅近くの複合商業施設までくる。片道1時間。このクソ田舎がよぉ。
「わあ!すごいじゃないか!人ってこんないっぱい居たんだ!」
目を輝かせながら羽をバサつかせる天使ちゃん。こうして天使ちゃんが人の多い場所に来るのは初めてだったりする。出会って即日子作り交尾してから毎日子作りばかりであまり外に出てなかったからね。
「それになんかいろいろあるね!凄くわくわくするよ!」
「それじゃ見て回ろっか。お買い物しよう」
「したい!」
「何か見たいものとか欲しいものある?」
「んー……。分からないかな!」
元気よく答える天使ちゃん。世間に疎いのか。天然が入ってるというか、ちょっとバカっぽいというか。そういうとこも可愛い天使である。
天使ちゃんといろいろ見て回った。
「このヒラヒラ透け透けのヤツはなにかな?」
「この下着は切れ込みが入ってて脱がなくても直ぐに子作りが出来ちゃうヤツだね」
「なんだいそれは!便利そうだね!」
「買っちゃう?」
「いいのかい?」
「買っちゃえ買っちゃえ」
「うん。ありがとう!」
ちゃんとお礼言えて偉い!もうなんでも買ってあげちゃう!
買ってあげたスケベ下着をニコニコしながら抱きしめる天使ちゃんマジ天使。
こんなん財布の紐がガバガバになってしまう。天使ちゃん課金捗る。
そのあとも2人であれやこれやと見て回る。
昼にはコッテリ二郎系豚骨ラーメンを食べた。
「これを食べると子作りが捗ります」
「それは素敵だね!」
「さらに呪文を唱えると効力が増します。ニンニクアブラカラメヤサイマシマシ」
「ニンニクアブラカラメヤサイマシマシ?」
富士山みたいなラーメンが出てきた。
それを天使ちゃんはペロリと完食する。意外と食べるね。まあ人間では無いし、そこら辺の常識は通じないとこある。それと大食いが関係してるかどうかは知らんけども。
「ふう。美味しかったね」
二郎くんに孕まされたポッコリ下腹を撫でて一息つく。
「えへへっ。赤ちゃん出来たらこんな風なるのかな」
「そうだね。もっと大きくなるんじゃない?」
「そっか。それは楽しみだね!早く赤ちゃん出来ないかなー」
それは楽しみと天使ちゃんの呟きに深くうなづいた。
「この検査結果ってどうなんだい?」
「これは赤ちゃん出来ちゃってるね」
「それは本当かい!?やったぁ!」
祝!おめでたあっ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます