〜おまけ〜(拡張版)




「私の先祖は人ならざるモノに対抗する為、我が身に鬼を封じ、その力を利用してきた。それを先祖代々に渡って受け継いできた結果がこの姿というわけだ。段階的に鬼の力の封印を解く事で力を増していくが、封印を解けば解くほどその身は鬼へと近づいていく。全ての封印を解き放てば最後ーーその身は鬼へと成り代わる……ーーそうだ。今の私がまさにそれだ。この身は鬼と化し、もはや人間には戻れぬ。私はもう討つ側から討たれる側だ。局に戻れば危険分子として処分されるだろう。処分されるぐらいなら潔く腹を切るべきだとは思う。だが私は……死ぬのが怖い。ああ……私はこんなにも女々しかったのだな……実に滑稽だ」



「へぇー、そうなんだー」


「ボクは天使のシアリース!蓬くん子作りしよ!」


「するするー!」



「おい待て貴様ぁ!人がちょっと重めのしんみりした話をしたというのになんだその素っ気ない態度は!というか目の前で本気交尾おっぱじめるんじゃない!この馬鹿者がッ!殺すぞ!」


「うるさいわね。細かいこと気にしてるとココじゃやってけないわよ。頭空っぽにして快感に身を任せて気持ちよく腰振ってなさい」


「あっ、見た目は一番の異形なのに割と話が通じる触手」


「玖音よ」


「鬼道彩世だ」


「彩世、行く場所無いならここで暮らせばいいのよ。アイツ、なんだかんだで私らみたいなの放っておけないから多分大丈夫よ」


「しかし……私は追われる身で……」


「大丈夫大丈夫。私も多分アンタと同じで追われる身よ。でも、ここに住むようになって暫くたってるけど、何も無く普通に暮らしてる」


「そうなのか?」


「そうよ。そんな素振りは一切見せないけど……アイツがなんとかしてくれてるんだろうなって、なんとなく分かるの。だからアンタもきっと大丈夫よ」


「そうか……」




バンッ!




「オホ声が五月蝿いです!ネトゲに集中出来ないのでもっと声を抑えるか庭でヤッてもらってもよろしいでしょうか!?本日はランイベ最終日なんですよ!?上位ランクインを逃したらどう責任を取るつもりなんですか!?あっ、どうも私は雪女の雪華です」


「あ。ああ……鬼道だ」


「えっ、雪華は庭でしたいの?するするー!」


「ちょっ、なにをっ、や、やめっ……!だからイベント最終日で、そんなことをしてる暇はーーオホォッー!?」




「無法地帯だな」


「治外法権よ」


「はぁ……。頭が痛くなってきたな」


「大丈夫?まったくしょうがないわね!私が見てあげるわ!」


「ふぉ!?耳から触手ガッ……!オ”ッ……!なにこれしゅごいっ……!あたまのなか掻き回されりゅッ……!オホォォォォオオッッッーーー!!!」






「はぁ……はぁ……。頭の中に直接中出しされたかのような物凄い快感だった……。貴様!やはり人に仇なす危険な生物か!殺す!」


「……ダメ」


「ひっ……!?」


「あっ、桐谷ちゃん」


「みんなナカよくする」


「あっ、はい。すいませんでした。ごめんなさい。許してください。仲良くします……」


「急に大人しくなったわね」


「糞雑魚弱弱角赤虫」


「吠えたな機関の奇天烈生物がッ!叩き切るぞ!」


「不可能。対象戦闘力測定済み。危険度レベル最下位。警戒不要。弱い犬ほど良く吠える」


「くっ、殺すぅッ……!だいたい機関の手の者が何故このような場所に居る?」


「任務続行中。目標武力制圧不可。作戦変更。性快楽による籠絡作戦遂行中」


「目標……籠絡……蓬のことか。アイツは……一体、なんなんだ?」


「さあ?」


「わからナイ」


「機密事項」








「ぽぽぽ」


「ん?どうしたの?あっ、木にちょっと葉っぱ生えてきたね。そろそろ意思疎通できるかな?」


「ぽぽぽ」


「そうだね」


「ぽぽぽぽぽ?」


「それはあるけど。まあ、なんとかなるさ。いざとなったら雪華に働いてもらうから。工事現場とかで」


「それは聞き捨てなりませんね!工事現場などで私が働くわけが無いでしょう!肉体労働無理!絶対!私は絶対に働きませんよ!絶対に!」


「と、申しておりますが」


「ぽぽぽ」


「へ?あっ、ごめんなさい。許してください。ホントに働きたくないんです!お願いします!お願いします!」





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