デカイ女




白い帽子にワンビースのデカイ(推定240cm)女の人が立っていた。



登校中、学校も近くなって学生の姿が多くなってきた頃合で、それはまさに道の真ん中にそびえ立っていた。



デカイ(説明不要)



身長も去ることながら大の大人の頭部より大きなクソデカデカダブル果実。片側だけで顔が埋まってしまうであろう男をダメにする巨大ケツクッション。



凄い(語彙力消失)



それは朝の登校風景にはあまりに異質な存在であった。しかし、明らかな異物に周りの生徒は反応を示していない。


皆が皆が、まるでデカイ女の事が見えてない様に、その女の横を気にもせず通り過ぎていく。




「ぽぽぽ……ぽぽぽぽぽ……」




半濁音の声が聞こえた気がした。女性のものではない男の様な声だ。



デカイ女は俺の方を向いていた。



帽子を深く被っている上にデカイ女は大きな白いマスクをしており、表情はまるで分からないが、顔も体も真っ直ぐに俺の方に向けられている。



とりあえず、不気味だったので俺はそのデカイ女をガン無視して横を通り抜けて学校に向かった。










コン……コン……。





授業中、窓を叩く音がした。


俺の席は窓際最後尾の主人公席だ。クソほど退屈な現国のおじいちゃん先生の授業を聴きながら、うつらうつらと夢の世界に船を漕ぎ出していた時だった。


窓に顔を向けて外を見る。



帽子が宙を浮いていた。



見た事がある帽子だった。それは確か、今朝見たデカイ女が被っていた帽子と同じモノのような気がする。



んー……やっぱ、無理。眠い。寝よ。



昨晩は1晩中、天使と子作りしてたのもあって寝不足であるとてもとても眠い。


俺は睡魔に屈して机に突っ伏して爆睡した。











放課後。


授業中の爆睡がバレて説教をくらった挙句、補習まで受けさせられて、すっかり遅くなってしまった。


夕暮れに染まる茜色の街を1人歩く。


おそらく俺の帰りを天使が今か今かと待ちわびている筈。今日も帰ったら子作りいっぱいしようと期待に妄想と諸々を膨らませる。


夕飯はどうしようか。天使にも何か買っていった方がいいのか。そもそも天使って人間の食事食べるのか。いやまあ俺の吐き出したコッテリミルクを美味しそうに飲んでたし、普通に食事はするだろう、多分。


そんな事を考えていると背後から声が聞こえた。




「ぽぽぽぽぽ……」




朝聞いた声だ。おそらくはあのデカイ女の声。


振り返るとすぐ後ろに白い壁があった。いや壁というのは語弊があるか。山だ。山。


見上げると影を作るとてもデカすぎる2つの大きな山が俺の上から覆いかぶさっているようであった。


間違いない。これは今朝のデカイ女の下乳だ。




「私って……綺麗?」


「いや、おっぱい邪魔で顔見えないんだけど?」




デカイ女は俺に問う。私は綺麗か?と。おそらく外見的な事、あるいは顔の造形的なことを聞かれているのだろうが、如何せんデカイ女を至近距離で見上げている現状。俺の視界はデカイ女の下乳で埋め尽くされていたのである。




「ぽぽぽ……」


「いや「とほほ」みたいに言わんでもろて」




非常に残念そうにデカイ女は変な声を出した。


仕方ないので俺はその場からデカイ女の顔が見える位置まで下がって、改めてデカイ女の顔を見る。



デカイ女の口は耳までバックリと裂けていた。



口裂け女じゃねーか。八尺様と違うのかよ。


いや、2つの要素が掛け合わさってるからハイブリッド?八尺口裂け様?語呂悪い。言いづらい。もうデカイ女でいいや。




「私って……綺麗?」


「めっちゃ綺麗!キミ可愛いね?もしかしてアイドル?それともグラビアとかやってる?スゴいスタイルいいね!今暇?どう?これからウチ来ない?俺ちょっとキミともっと仲良くなりたいかなって思うんだけど?な?いいだろ?ちょっとだけ。別に変なことしたりしないからさ。ちょっとお話するだけだって!はい!決定!もうキミに拒否権とかないから!一緒に来てもらいマース!」


「ぽっ!?ぽぽぽぽぽっ!?」




と、言うことで。俺はデカイ女を自宅に強制連行した。











ーー名前は?



「……ぽぽぽ」



ーーぽーちゃんね。どこから来たの?



「ぽぽぽぽ」



ーー何しに来たの?



「私って……綺麗?」



ーー歳はいくつ?



「ぽぽぽ」



ーーこれまでの男性経験は?



「ぽ」



ーー恋人は居る?



「ぽぽ」



ーーこういうのに興味あった?



「ぽぽ」



ーーこれから自分が何される分かってる?



「ぽ、ぽぽぽっ……!」



ーー今更、帰るなんて言わないよね?



「ぽぽ……ぽぽぽ……」



ーーそれじゃ。そろそろ始めよっか。



「ぽォッ……!ぽぽぽォお”お”お”ッッッ……!」











翌日。




「ぽ…………ぽ…………」




俺は肉のベッドに埋もれた状態で目を覚ました。あっ、これベッドちゃうデカイ女ーー改め、ぽーちゃん様や。こんなデカいとベッドと勘違いしちゃうよね。


ふー、出した出した(スッキリ)


まさにぽーちゃん様は男をダメにする肉ベッドだった。全身まるっとムチムチに包まれて夢見心地。こんな気持ちいいベッド使ったらもうこの肉ベッド無しじゃ寝れない身体になってしまう。


最高かよ。これからもベッドとしてぽーちゃん様は有効活用していこう。まっ、人間じゃ無そうだし何しても法的に引っかかっることは無いでしょ。


ベッドから降りると床にはアヘ顔天使が転がっていた。そんな所で寝てたら風邪ひくぞ。あー、でも天使で身体は丈夫だから大丈夫なのかな?











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