第79話

 レベル:277

 名前:無し

 種族:盗賊スライム

 スキル:超音波Lv10、嗅覚強化Lv10、暗視Lv10、不意打ちLv10、打撃攻撃耐性(小)Lv10、聴覚強化Lv8、聖魔法耐性(極小)、毒生成Lv10、毒耐性Lv10、糸生成Lv10、噛みつきLv10、打撃攻撃Lv10、ファイヤーボールLv7、ウォーターボールLv8、隠密Lv2、俊敏Lv2、威圧、痛み耐性Lv2、農家Lv3、農具扱いLv2、地震、魔法耐性、我慢Lv3、投擲、体術、身体強化(小)、囮、咆哮Lv2、霧Lv2、透明化Lv3、透過Lv2、適応、瘴気耐性、弱点生成Lv2、風の刃Lv2、風圧Lv2、光るLv3、ライトLv3、フラッシュLv4、沼化Lv8、幻覚、悪夢、弓術、硬化Lv2、空間作成Lv2、不死身Lv2、人化Lv2、時間加速、隠密看破

 ユニークスキル:強奪Lv2

 称号:転生者


 唯一隠密スキルを発動させていた俺に気がついていた奴から奪ったスキルは、隠密看破なんていうピンポイントすぎるスキルで正直期待外れもいい所だった。

 それ以外の人間に関してはこれだけ居たというのに、何もスキルは持っていなかった。

 ……農家みたいなかなりしょうもないスキルでも良かったから、何かは持ってろよ。


 まぁいい。

 まだギルドの中にいる奴らが外のこの状況に気がついている様子は無いし、取り敢えず、さっさと中に入ってしまおう。


 扉を開けて中に入る。

 中にいたやつらからしたら誰もいないはずなのに勝手に扉が開いたという異常事態なのだが、この騒がしさだからか、誰もそのことに気がついた様子はなかった。

 ……本当に大丈夫か? こいつら。冒険者なんだよな? 最早心配になってくるぞ。


 そんな心にもないことを思いつつ、俺はさっきと同じ方法で糸生成と毒生成スキルを改めて使った。

 今度は俺の足場のために沼化を使っていないから、糸を切られたりして何人かには逃げられるだろうけど、特に問題は無い。

 ……こういう時、一気に攻撃出来る範囲攻撃スキルがあれば便利なんだけどな。

 一応地震スキルとかがそれに含まれるのかもだけど、あの時地竜が使ってきていた感じからして、あんまり意味が……いや、別に無いこともないのか。

 あれを使えば、一発でギルドの建物くらい崩壊させられるだろうし、悪くは無い。

 ただ、やっぱり地震スキルを使うことは無いな。

 だって、ギルドの建物を崩してしまったら俺の狙っている受付の人間とギルドマスターが死んだかを確認できないからな。

 

 そんなことを考えつつも、手……では無く、糸を動かし、俺はもう何人かを殺していた。

 わいわいと騒いでいたところでいきなり死んだ人間が現れたからか、軽いパニック状態に場を陥れることに成功していたのだが、あの時喧嘩をしていた二人の存在によってその空気感は吹き飛ばされてしまった。


「今倒れていった奴らは毒の付いた糸が体のどこかに触れたからだ!」


「糸自体は注意していれば簡単に切る事が出来るぞ!」


 あの時と同じように、一人の男は剣に炎を纏い、もう一人の男は拳に風を纏っていた。

 完全に臨戦態勢だった。

 スキルは欲しいと思うけど、逃げるのなら別に追わなかったんだけどな。


(超音波)


「ッ! 右に避けろ!」


 あの二人のせいで他の奴らも臨戦態勢に入ってしまっているから、希望となっているあの二人はさっさと殺してしまおう。

 そう思い、超音波を使ったのだが、拳に風を纏った男の言葉により、避けられてしまった。


 それを見た俺は思った。

 超音波に避けるとかいう概念があったんだな、と。

 今まで効かなかったことはあったけど、避けられたのは初めてだったから。


(俊敏)


 スライムの状態の時ならともかく、人化した状態で超音波を使うのは口で音を出さないとダメみたいで、今の音で居場所がバレた可能性を考え、俊敏スキルを使い、場所を変えておいた。

 人化を解いて超音波を使うのが一番だったんだろうけど、もしも透明化や隠密スキルを見破れるやつ、または解除出来るやつがいた場合、変装をしてきた意味が無くなってしまうから、人化は解けないし、この無駄な行動は仕方の無いことと受け入れよう。


「ここだっ!」


 案の定と言うべきか、俺がさっきまでいたところを男は炎を纏った剣で攻撃していた。

 やっぱり遅い。

 ……これなら、変に警戒なんてせず、あのまま普通に超音波を連続で発動していればよかったな。

 一応、一度避けられているから、連続で発動させ続けても避けられて、そのまま俺の声がした方向に向かって隠していたなんならかの方法で攻撃してくる可能性とかを考えてたんだけど、今の攻撃を見る限り、本当に無駄な警戒だったみたいだな。

 このギルドで一番強い存在みたいだったし、隠し球を持っていることを警戒したんだけどな。


 そう思いつつ、俺は連続して超音波を発動させた。

 俺が出した音により二人は俺の居場所に気がついているようだったけど、何も出来ずにそのまま血を流して死んでいった。

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