第4話 声をとりもどせ!

 まず、廉価品の外付けキーボードの不具合と愛用のアイペンシルが反応しない問題を解決するために、近所のパソコンショップに相談してみました。しかし、なかなか適切な解決策が見つからず、最終的にアップルサポートに問い合わせることにしました。


 アップルサポートの対応は迅速かつ丁寧で、一部のキーの不具合についても根気よく問題解決までお付き合いくださり感謝しきりです。原因は、私が設定をいろいろいじりすぎたことでした。そして、アイペンシルの問題も、正規品のApple Pencil(第二世代)の中古品を購入して、ハード面の問題はクリアになりました。


 次は、目標シートの作成に取りかかることにしました。目標を具体的にすることで、漠然ばくぜんとした夢が少しずつ形になっていく中、ブラックボックスのような箇所が出てきたので、タロットカードとにらめっこしながら考えをまとめていました。しかし、その途中で悪夢に襲われることとなったのです。


 夢の中では、まるで私の人生そのものがスローモーションの映像で再生されていました。自分がまるで透明人間のように誰にも気づかれず、存在感を失っていく様子。そして、なぜか巨大な時計の針が狂ったように高速で回り続け、時間がどんどん過ぎ去っていく恐怖感。目の前には未完成のプロジェクトが山積みで、必死に手を伸ばすも、どんどん遠ざかっていく…。


 さらに、夢の中で私は、真っ暗な部屋の中に一人取り残され、声を出そうとするものどからは声が出ない、伝えたいことが何一つ伝えられない焦燥しょうそう感が押し寄せてきました。その部屋の壁には大きな文字で「夢は逃げない、逃げるのはいつも自分だ」と書かれており、その言葉が頭の中で何度も何度もリピートされるのです。


 目が覚めると、全身は汗でびっしょり。おまけに、風邪を拗らせてしまい、38度近くの高熱でダウンしていました。練習用の音声録音データを作成しなきゃいけないのに、声が掠れて出づらいし、2、3日前から喉の痛みが気になっていたんだけど、目の前の人参という目標に夢中で夜更かしも続けていましたので、自業自得です。おかげさまで有給を使い切り、1週間も寝込む羽目に。


 体調はまだ回復していませんが、この悪夢が逆に気持ちを奮い立たせました。まだ声を取り戻していないけれど、私の夢は逃げない。風邪が治ったら、また一歩一歩進んでいけばいいのだから。



 次回も、どうぞお楽しみに!

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