第4話 引き続き聞き込み調査
氷川警部と田宮晶子は聞き込み調査を続けるため、次の人物へと向かった。原宮翔太の職場、川崎のトラック運送会社だった。
トラックが行き交う中、二人は事務所に入ると、事務員の女性が迎えてくれた。「原宮翔太さんにお話を伺いたいのですが。」
「申し訳ありません今、原宮さんはさっき仕事でトラックで横浜に出かけました。」
「では、原宮さんの同僚の方にお話を伺いたいのですが。」
「少々お待ちください。」事務員は奥へと姿を消し、しばらくしてトラック運転手の一人が現れた。「私が原宮の同僚の板崎茂雄です。何かお聞きしたいことがありますか?」
「原宮さんは最近、何かトラブルに巻き込まれていませんでしたか?」氷川が尋ねると、板崎は少し考え込んだ。
「そうですね。最近、彼は何かに悩んでいるような感じでした。誰かに追いかけられているようなことを言っていましたが、具体的には話してくれませんでした。」
「他に気になることはありませんか?どんな些細なことでも構いません。」田宮が促すように尋ねた。
「彼は最近、東海道五十三次についてよく話していました。昔の同級生たちと一緒に巡るのが夢だと言っていましたが、何か関係があるのでしょうか?」運転手は疑問の目を向けた。
「それは貴重な情報です。ありがとうございます。」氷川はメモを取りながら答えた。「もし何か思い出したら、すぐにご連絡ください。」二人は事務所を後にし、次の目的地へ向かった。
次に訪れたのは、市役所職員の中島啓太の自宅だった。中島は出迎え、二人をリビングに案内した。
「中島さん、佐々木さんについて何か知っていることはありますか?」氷川が尋ねると、中島は少し緊張した様子で答えた。
「佐々木とは中学時代の友人でしたが、最近はあまり連絡を取っていませんでした」
「最近、誰かに悩まされているようなことはありませんでしたか?」田宮が続けた。
「特に何もありませんでしたが、佐々木が殺されたと聞いて驚きました。彼はいい奴でしたから。」中島は肩をすくめた。
「分かりました。もし何か新しい情報があれば、すぐに連絡をください。」氷川は名刺を渡し、感謝の意を表した。
警視庁に戻ると、氷川は集めた情報を整理しながら、次の一手を考えていた。中原が防犯カメラの映像をさらに解析し、芝岡はインクの調査を続けている。田宮は引き続き聞き込み調査を行っていた。
「佐々木が殺された場所に『東海道五十三次の始まりだ』という紙があった。そして、佐々木は東海道五十三次を巡るのが夢だったと言っていた。これらの情報を結びつけると、犯人は被害者の共通点に注目しているのかもしれない。」氷川は頭を抱えながら考え込んだ。
警視庁に戻った氷川は、集めた情報を基に次の一手を考えていた。これからの捜査はさらに困難を極めるだろうが、氷川は決して諦めることなく真実を追い求める決意を新たにした。
「次のターゲットは誰なのか…。我々は一刻も早く手を打たなければならない。」氷川は自らに言い聞かせ、次の一歩を踏み出した。
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