【新章】王宮へ

【作者から一言】

私も気付いていたのですが、読者の方から問い合わせがあり、帝国の【皇帝】の妻なら【王妃】ではなく【皇妃】ではないか?と言うことで、今後の流れの中で修正するかも知れません。


ただイラストなど修正するのがメンド………ゴホンッ、今後は違和感のないよう調整します。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


なんやかんやでシオンは北部を少し周った後、時間的な問題で、早々にエスタナ帝国の首都である【帝都アスターナ】に向かい到着した。


ハル「ここまで長った…………」

アキ「ようやく着いた」

リオン「感無量!ハラハラ………」

ゼータ「早く酒が飲みたいですぜぇ~」

護衛騎士「本当に着いたの?夢じゃない?」

護衛騎士「キョロキョロ、トラブルはいねぇ~~か~?」

護衛騎士「観光できるかなぁ~~」

アメリア「凄い!建物大きい!早く市場をみてみたい!キランッ」


仲間達はそれぞれの想いをぶちまけていた。


ってか、残りの護衛騎士達の名前だそうよ?被ってて誰が何を言ってるかわかんないよ!

【ナレーションさんのクレーム】


naturalsoft『すみません!近日中に何とかします!』



「さぁ!↑【無駄口】↑叩いてないでサッサといくわよ~!」


シオンは仲間達の言葉を無視して王宮へと向かった。馬車は綺麗な石畳の上をゆっくり進んでいく。


「ついに来てしまった………」


シオンは憂鬱な顔で落ち込んでいた。


「お嬢、嫌なのはわかりますが諦めて下さい」

「ここまできて往生際が悪いですよ」


はぁ~~と深いため息をついた。


「行きたくねぇ~~」


おいコラッ!令嬢がそんな言葉使いで良いのか!?


「何でそんなに嫌なんですか?」

「だって!行ったら人妻になるのよっ!」


ブハッ!!!!


仲間達は一斉に吹き出した。


「ゴホッ!ゴホッ!いきなり何を言っているんですか!?」


「だって、王妃になったら、チョメチョメしないといけないんだよ!私はもっと自由に恋愛してみたいのよーーーーー!!!!」


ムキーーーー!!!!!と、なって叫んだ。


「「「えっ!?」」」


仲間達は、こいつ何言ってんだ?みたいな顔でシオンをみた。

このお気楽トラブルメーカーにそんな願望があったとは!?


「おいっ!願望って言うなっ!」


「でも意外です。お嬢にそんな可愛い野望があったなんて♪」

「本当に意外………」

「明日は雪かな?いや、ブリザードになるかも」


「乙女なお嬢…………」


ポツリッと誰かが呟くと───


ドッ!!!

ワハハハハハッ!!!!!

大笑いが起きた。


「ほぅ?」


昼間なのに暗い影が揺らめいたそうだ。

その後、悲惨な悲鳴が響き渡ったと言う………


【完】



「って、終わってないわよ!」


プンスカ怒るシオンに、涙目になった仲間達が恨みごとを吐いた。


「いたた……お嬢、痛いですよ~~」

「乙女なお嬢でも、性格は変わらないっすね」


「バカな事を言ってないで行くわよ~」


こうして騒がしい一行は王城へと向かう。


「近づいてきたわね」

「長かったよ~~」

「感無量だよ~~」


なんか冒頭と同じ事を始めてしまった。

しかし、ついに到着した!到着してしまった!?


「クッ、殺せ!私もここまでか!?」


「はいはい、クッコロごっこ遊びは良いですから入りますよ~」


さっきまでとは違い、完璧なメイドの表情になったハルとアキはシオンの後ろにしっかりと背筋を伸ばして歩いていく。


「私は護衛騎士リオン!お仕えするシオンお嬢様をお連れした。開門をお願いする!」


!?


「お久しぶりです。皇帝陛下がずっとお待ちしておりましたよ。すぐにご案内致します」


まだ数回だが、顔馴染みとなった門番に連れられて王城の中に入った。


ドキドキッ

ドキドキッ


1度、待合室へ通され、お呼びが掛かるまでここで待った。


「お嬢、心臓の音が大きいです。静かにしてください!それか止めて下さい?」

「ええっ!?そんなの聞こえるの!ってか、死ねってことじゃない!?メイドとしてどうなのよ!?」


いや、お嬢の顔を見ていてばわかるから。

そんなに緊張して。


まさか、何でも打算的な考えができるシオンお嬢様が、こんなにウブだったとは予想外です!


扉が開くと連絡係りの騎士がやってきた。


「お待たせしました。皇帝陛下がお呼びです」

「ぴゃい!」


ぴゃい?


「お嬢様、緊張のし過ぎです。落ち着いて下さい。はい!ヒーヒーフー、ヒーヒーフー!」


ヒーヒーフー!ヒーヒーフー!


なんてことでしょう!

普段ならバカにするなーと、お怒りになるお嬢様が壊れました!?


連絡にきた騎士は、どうすればいいのかわからず固まっていた。


「ハルの冗談はたちが悪いんだから、こんな時に言うなよ」


「いえ、緊張しているお嬢様を和ませようとしただけなんですが………まさか、ここまで壊れているとは思いませんでしたわ」


「お嬢様は恋愛にポンコツっすね~」


う~~ん!

どうするべきかと考えていると──

リオンの何気ない一言で事態が動いた。


「確かに王妃になる為に、ここにきたけれど王宮に住んだからと言って、いきなり伽(とぎ)をする訳じゃないんですからね?」


!?


「そうなの!!!?」


ああぁ~~そういうことだったか~~~!!!!


仲間達は脱力してしまった。

お前は何を聞いていたんだ!と説教タイムが始まるのだった。



【連絡に来た騎士】

『早く行かないと怒られるですが………』



自分は何を見せられているんだろうと、現実逃避する可哀想な騎士がいるのでした。





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