VS ビッグスパイダー
◇15階層
あれから1時間くらい。
出てくるモンスターは相変わらずで、既にスキルのレベル上げも済んでいるのでサクサクと進むことができた。
なんだかんだで無事、無傷で15階層へたどり着いた。
とはいえ時間的には帰り時なのでこの階層をクリアしたら今日はここまでにしよう。
そう決めて僕は足を踏み出した。
「!? これは……蜘蛛の糸?」
僕は糸操で糸を退かしてそろそろと前へ進むとどでかい蜘蛛がいた。
「『鑑定眼』」
巨大な蜘蛛の名前は『ビッグスパイダー』と言うらしい。
しばらく隠れて様子を見るとビッグスパイダーの動きは僕よりも早い気がする。
と、ふとした瞬間!
ビッグスパイダーはこちらを向いて咆哮を発した。
どうやら今どかした大きめの糸によって気づかれたらしい。
すると咆哮を発したビッグスパイダーの背後にある巨大な蜘蛛の巣からわらわらとマッドスパイダーが湧き出てくる。
とりあえずまずは人間で戦う。
『スキルも実力の内』とは言うらしいがなんだか頼りっきりになっている気がするし、それはよくないことだと思う。
「
とりあえず蜘蛛が相手なら厄介な糸を燃やせばいいと火魔法を使ってみる。
すると自然とみるみる口から呪文を詠唱されていく。
……勝手に自分の口が動くのって少し気持ち悪いかも。
そんな風に考えながらも目の前の光景をみると普通に蜘蛛たちに引火している。
あっ、糸操Ⅴになってないし今がチャンスでは?
それに気づいた僕は急いで『へんげ』を使ってグラトニースライムになる。
まずは前菜のマッドスパイダー。
前回食べた時も思ったけど食感が飴なのでこれは顎が疲れそう……なんて思ったけどそもほもスライムに顎も何も無いので気にせずに食べる。
今回の飴の味はまずい。と言うかそんなにマッドスパイダー美味しくない。
残り数匹とビッグスパイダーになるまで食べるとだいたい15分程しか経っていなかったのでこれは余裕だなと思いつつマッドスパイダーを完食する。
「giiiii!!」
鋭い蜘蛛の足で僕の中心を狙って突き刺そうとしている。
おそらくグラトニースライムの核を狙って攻撃をしようとしているのだろう。
鬱陶しくなったのか思いっきり足を突き刺そうとしてきたのでなんとかそれを避けると地面に足が鋭さの余り刺さってしまってかわいそう。
そんな可哀想な蜘蛛さんことビッグスパイダーに足からよじ登ってメインディッシュを食べ始める。
さてさてお味は………。
あんまり美味しくないけど少し熟成されたような味が少し癖になりそう。
バリバリゴキゴキゴックン……!
喉を鳴らしなから味わって噛み砕く。
「ご馳走様でした……っと。」
【グラトニースライムのレベルが7に上がりました。】
『レベルアップしました(以下略)』
『レベルアップしました(以下略)』
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