そうだ いもうと を まつりあげよう

◇家


 実のところ初心者ダンジョンはそこそこの距離にあるのでなんだかんだで電車で帰る頃にはお腹が空く時間になったところでようやく家についた。


「ただいま〜。今帰ったよ、奈恵なえ。」


「遅いよお兄ちゃん〜! ご飯作って待ってたんだよ〜?」


 小走りで玄関までやってきた可愛い我が妹こと奈恵。


「うん、今日も奈恵は可愛いなぁ」


「お、お、お、おにぃちゃん何いってんの!?」


 おっと、つい本音が。

 奈恵と僕は2つほど年が離れた兄妹である。

 ……が! そんなことはどうでも良いくらい奈恵が可愛い。

 これを知らない奴は世界の損失である!(IQ低下)


 そんなことを思いながらも作ってくれたご飯を食べる。

 ほんとに何から何までよくできた子なのだ。


「あっそうだ! 奈恵はDanTubeでダンジョン配信しないのか?」


 DanTubeとはお馴染み大手動画配信プラットフォームのユアユア動画と同じ企業が運営するダンジョン配信用動画配信プラットフォームである。


 奈恵曰く自称魔法の才能があるとかなんとからしく、1年か2年前くらいから潜ってるとのこと。


 本人が言うには日本のシーカーランキングで1000位以内には入っているらしいとは教えてくれたがあまり恥ずかしいのかシーカーネームを教えてくれない。


 お兄ちゃん寂しいぞ!


「お兄ちゃんも探索者になったし一緒にダンジョンには行きたいけど……その…」


「その?」


「配信と素じゃキャラが違いすぎるの〜!」


 だからあんまり奈恵は配信のこと話さなかったのか。


「どんなキャラなの?」


「え、えっと……女王様みたいなキャラぁ……なのかなぁ?」


「よし、奈恵を祭り上げよう」


「なんでぇ!?」


 僕は陰から力をつけて、奈恵をついでに祭り上げて可愛さを広められる。

 僕としては一石二鳥以上の価値がある!

 

「こ、このシスコン馬鹿お兄ぃ〜!!」

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