第66話

 男は女性に対して、恋をする。


 見た目の美しさや、性格の良さ、フィーリングが合うなんて言葉もあるが、とにかく男は少しでも良いと思った女性を見つけると体を重ねたくなる。


 恋をして体を求め、全てが終わった後に熱した気持ちが落ち着いて、それでも相手を大切にしたいと言う思いが残れば、それが愛であると昔の偉い人が言っていました。


「ユナさんを愛おしいと思っている。この気持ちが愛ということでしょうか?」


 体を重ねなくても愛しているということは、もちろんあると思います。

 ですが、体を重ねるということは子供を作るということです。


 それは女性にとっては体に負担をかけ、命の危険を伴う恐れもある行為です。

 ですから、とてつもない覚悟がいると思います。


 それに対して、男は子供を産む際にお腹を痛めることはありません。

 心で相手を心配することはあっても体的な負担はないのです。


「もしも、あなたに子供が出来たなら、私はたくさんの愛情を注ぎたいです」


 まだ、朝ではありません。


 疲れて眠る彼女の美しさは変わらないまま、寝息を聞きながら彼女の髪をそっと撫でます。


 初めての体験は、私にとっては幸福なことでした。

 ですが、ユナさんの体にとっては負担に感じることでしょう。

 

 痛みを伴いながらも受け入れてくれた彼女を大切にしたいです。


「んんん」


 ゆっくりと彼女が目を開きました。

 腕枕で一時間ほど眠っていたでしょうか? 私の腕は痺れを感じますが、それすらも幸せに感じます。


「おはようございます」

「はい。おはようございます」


 私が彼女の頭を撫でていることに気づいて、ユナさんは満足そうに私へ抱きついてきました。


「オジ様、私はあなたの子供を産みたいと思います」

「ありがとうございます。嬉しいです」

「ふふ、オジ様は本当に他の方とは違うんですね」

「えっ?」

「私が友人に聞いた話では、男性が行為が終わると冷たくなって、ベッドを出て行くか、一人になりたがるそうです。たまに疲れて一緒に寝た男性も子供が欲しいと伝えると、自分は責任を取らないと女性に押し付けるそうです」


 貞操逆転世界の男性たちよ。


 あなたたちはとてつもないクズだと思いますよ。


 全員がそうではないのですが、そういう女性が多いのかも知れませんね。


「だけど、オジ様は終わってからもとても優しくて、私が子供を産みたいと言うと喜んでくれました。私はとても幸福です!」


 そっちキスを重ねるユナさんは心から嬉しそうに笑ってくれました。


 どれだけのことを彼女にしてあげられるのかわかりませんが、私は彼女から愛されることを幸福だと思っています。


 それをただ伝えていきたい。


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 あとがき


 どうも作者のイコです。

 完全に思いつきで、プロットもないまま10万字だけを目標にここまで書いてきました。


 私の息抜きに付き合っていただき本当にありがとうございます。

 思っていた以上にたくさんの方々に読んでいただき感謝ばかりです。


 ハーレム要素も考えていたのですが、意外に一人の少女と幸せそうな感じになりました。


 この話をもって、10万字を達成することができました。

 本当にここまで読んでいただきありがとうございます。


 続きを書くのかわかりませんが、また思いついた際には書きたいと思います。


 その際にはお付き合いいただければ嬉しく思います。

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