第57話
さて、好き勝手に動くことを宣言したので、貞操逆転世界を楽しむとしましょうか。
「クゥ、私は街を散策してきます。街並みは変わらないのですが、女性ばかりの景色は絶景ではありますからね」
「ミャー」
クゥは小さくておとなしいのですが、まだまだ成長途中なので、今後が楽しみですね。
「さて、今日は皆さんには予定があるということなので、一人です。ちょっと行ってみたい場所があるんでちょっと変装して行ってきます」
クゥに服装を見せて、家を出ました。
私の体は高身長で、女性に変装することはできません。
そのため、本日は年老いていた男性が好むファッションを選択しました。
30歳オーバーな見た目もいうだけで、女性からは見向きもされません、
本日は五十歳以上の男性が好む服装を選択して、いつもよりも歳を取って見えるようにしました。
「前に青羽さんに会った際に、髪型を決めて若者が好む服装をしただけで、視線の量が増えると思ったんですよね。これって服装で女性は男性の年齢を判断しているんじゃないかって」
実際に、ハンチングに腰を軽く曲げて、シャツという、シンプルな装いにしました。
いつもはしない服装をして外に出ただけで、視線は随分と少なくなります、
チラリとこちらを見た女性が、服装を見て視線を外していきます。
これでいつもより感じる視線が一気に減りました。
「ふぅ、どうやら私の予想は当たっていたようですね。さて、これで気兼ねなく出かけることができます」
実は、私がどうして一人で出かけたいと思ったのか? 最近はネットで何でも購入できます。
それに、佐藤君の一件で、私に対して肖像権の侵害やプライバシー保護法の強力版である男性保護法の処罰で、佐藤大輝君から一億円の賠償金の支払いがありました。
元々、鈴木一として最低限の貯蓄はしていたんだけど、それに加えて一億円の臨時収入があり。
さらに白鳥結奈さんからマンションが提供されたため、家賃や光熱の支払をしなくてよくなりました。
それらの支払を申し入れた際に、「オジ様は私の命の恩人です! これぐらいのことをするのは当たり前です!」と言われてしまった。
青羽さんに聞くと、パトロンをしている女性にとっては当たり前のことだそうです。
この世界の男性の八割はユナさんがいうような生活をしているそうです。
本当にこの世界の考え方は、前世とは違いすぎる部分がありますね。
「さて、New Tubeの撮影で使うカメラは、現在スマホを使っているけど、やっぱり良いカメラとマイクで撮りたいですからね」
そう思って、私は秋葉にやってきた。
ただ、この姿をしていてもどうしても気になることが一点ある。
「安西さん」
「ひゃっ!?」
私から声をかけられると思っていなかったようですね。
物陰に隠れて、ずっと尾行してこられていたので、気づいていました。
どうやら尾行されていることに気づいていないと思われていたようです。
「あっああ、偶然ですね。鈴木さん」
「えっ? 偶然?」
これはなんと答えれば良いものか? 家からずっと着いてきてましたよねって言って良いものか?
「そうそう! 私もお嬢様に頼まれ物がありまして」
「そうですか。それでは失礼します」
「ああ、また!」
そう言いながら着いてきます。
うーん、監視されているようで気持ちよくはありませんね。
せっかくの一人で、カメラや電化製品など、ちょっとお気に入りの物を買おうと思っているので……。
「安西さん」
「ひゃっ?!」
先ほどと同じ反応に、この人は自分が尾行が下手なことに気づいていないのかもしれない。
「安西さん、もしかしなくても尾行してますよね?」
「なっ! ……はい。お嬢様のご命令で、本日は鈴木さんが一人で過ごすことが心配だと、決してやましい思いがあるわけではありません!」
「ええ、わかってますよ。いえ、どうせ尾行されるなら、一緒に買い物に行きませんか?」
「へっ?」
「不審な様子で見られるより、隣にいて意見を言ってくれるほどうが嬉しいので」
「そっそれなら!」
嬉々として応じてくれたので、安西さんと買い物の続きをすることにしました。
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