第54話
side白鳥結奈
部屋に漂う紅茶の香りが、オジ様の心の温かさを映し出しているように感じる。
この香りはメイドたちに入れてもらった物と遜色はないほどに洗礼されている。
ただ、オジ様の変化に少々戸惑ってしまう私がいます。
「オジ様がこんなに真剣に私たちと向き合ってくれるなんて思いませんでしたわ」
オジ様以外の言葉であれば、冷静でいられるはずなのに、自分でも戸惑ってしまう。
こんなにも心を動かされるなんて。
胸の奥で感じる温かさと、未来への期待が入り混じる。
「未来を一緒に考えるなんて…」
これまでずっと、オジ様を支えることが私の役目だと思ってきました。
だけど、彼が私をこんな風に見てくれているなんて、嬉しいと思う反面、私一人の者ではいてくれないと思ってしまう自分がいます。
「私は、オジ様のためにもっと努力します」
オジ様の手の温かさを感じながら、私は自分の決意を新たにします。
私を信頼してくれる。その期待に応えたい。
オジ様との未来を一緒に築いていくために、自分にできることを覚悟が必要だと強く感じた。
「オジ様のために、私ができることは何でもするわ」
心の中でそう誓いながら、私は彼の手を離さないように、しっかりと握り返した。
♢
side花井杏樹
ハジメさんの言葉が、私の心に優しく響いてくる。
こんなにも私たちのことを真剣に考えてくれていることに、驚きと同時に、喜びが溢れてきます。
「ハジメさんが、私たちのことをこんな風に思ってくれているなんて…」
ハジメさんの手の温かさが、私の心を温めてくれる。
その感触が、彼の真剣な気持ちを伝えてくれるようで、胸がドキドキする。
普段は仕事に集中している、ハジメさんの言葉にこんなにも心を乱されるなんて。
「もっと彼のことを知りたい…」
一緒に過ごす時間が、こんなにも特別で大切なものだと改めて感じる。
ハジメさんが私に向ける優しい眼差しが、私の心を揺さぶられる。
「これからも、ハジメさんを支えていきたい」
ハジメさんの言葉に応えたい気持ちが強くなる。
自分の中で芽生えたこの感情を、どう伝えればいいのか悩むけれど、ハジメさんのためにもっと努力したいと思う。
「ハジメさんのために、私も成長していきたいです!」
「ありがとうございます!」
彼と一緒に未来を築くことを考えると、自然と笑顔がこぼれる。彼が私たちのことを大切に思ってくれることが、何よりも嬉しい。
「これからも、よろしくお願いします、ハジメさん」
心の中でそう誓いながら、私は彼の手を優しく握り返した。
彼と一緒に過ごす未来が、今から楽しみで仕方がない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます