第46話
青羽美玲さんとの話を終えた後、私はカフェを出て、オジ様の家に向かいました。
最近はオジ様の反応が楽しくて、彼が家にいる時間を見計らって訪れることにしています。
オジ様を守るため、そして彼の幸せのために、私は全力を尽くす覚悟があります。
青羽さんとの上下関係もはっきりさせたし、次はオジ様にしっかりと甘えさせてもう権利があると思うのです。
私たちの関係をそろそろ強固なものにする必要があると思うんですよね。
オジ様の家に到着すると、インターホンを押しながら心の中で自分を落ち着かせました。
数秒後、ドアが開かれ、オジ様が顔を出しました。
「ユナさん、いらっしゃい。今日はどうしたんですか?」
彼の優しい笑顔に、私は胸がキュンとするのを感じます。
ハァーやっぱりオジ様は良いですね。
常に癒しのオーラを纏っているような気がします。
上部だけで君を大切にしたいとか言ってくる、最低な者たちと違って、常にこちらに流されながらも謙虚で控えめなところが素敵です。
「オジ様、少しお話がしたくて。入ってもいいですか?」
オジ様は微笑んで私を招き入れてくれました。
リビングに通され、ソファに座ると、彼が私のためにお茶を用意してくれます。
自分の女性だと思った男性は、動く気配がありません。
つまりは横柄な態度を取るのが当たり前という態度を取られます。
ですが、オジ様は私の庇護下に入ってからも、態度を変えることなく紳士的な雰囲気を保っております。
「ありがとうございます、オジ様」
私はオジ様に感謝の言葉を伝えながら、お茶を一口飲みました。
温かいお茶が喉を通ると、少し緊張がほぐれました。
「ユナさん、何かあったの?」
オジ様が心配そうに尋ねると、私は少し微笑んで彼に答えました。
「いえ、特に何かあったわけではありません。ただ、オジ様に甘えたくなっただけです」
「えっ? 甘えたくですか」
オジ様の戸惑った顔がとても可愛いです。
少し驚いた様子でしたが、すぐに優しい笑顔に戻りました。
「う〜ん、何かしたいことはありますか?」
私を受け入れてくれるような言葉に安心して、彼に甘えるように身体を寄せました。
「オジ様、私は頑張ったので疲れているのです」
「うむ」
私が自分が頑張ったことを告げると、オジ様はしばらく考えて、ゆっくりと私の頭をポンポンと撫でてくれました。
優しい手の温もりを感じました。
大きな手が私の頭を撫でてくれます。
「ユナさん、お疲れ様です。いつも頑張っておられて偉いですね」
オジ様の優しい声に、私は内心で喜びを感じました。
私を頼ってくれることが最高の幸せです。
「オジ様、これからもずっと側にいてもいいですか?」
「う〜ん、私のようなおじさんでもよければだけど」
「私はオジ様のために何でもしますから」
「はは、大袈裟だね」
大袈裟などではありません。
きっと、オジ様は自分に自信がないのでしょうね。
ですから、私が飽きてオジ様を手放すと考えておられるのです。
そんなことはないのに。
オジ様が優しく私の頭を撫でながら、微笑んで頷いてくれています。
私は全力でオジ様に尽くす覚悟があります。
彼の幸せのために、そして私たちの未来のために、何でもします。
ですが、そろそろ私もご褒美が欲しいところです。
オジ様に大胆なアプローチをしても動いてくれません。
ですから、次の段階に進むために、もっと大胆にしても良いかもしれません。
私以外にも、オジ様に好意を持っている女性も見極めることができましたからね。
ふふ、これからが楽しみです。
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