第22話

 安西さんの発言で三人の視線が一斉に私の股間へと集中しました。


 つまりは見せろということでしょうか? 


 しかし、ここまで真面目な話をしていたので、元気なわけではありません。


 さて、この件について、どうやって証明すればいいのか?


「オジ様」

「はい?」


 私がどうすれば良いのか悩んでいると、ユナさんが真面目な顔をしております。


「まずは、私の従者が失礼な発言を言ってしまい、ごめんなさい」

「えっ、あっいや?」


 頭が追いついていませんが、今のは失礼なことに当たるのですね。


 確かに、私が前世で女性にパンツ見せてください。とか胸を見せてくださいって言えばかなり危ない人な気がします。

 

「えっと、大丈夫ですよ」

「ありがとうございます。謝罪をしたのですが、詩織さんもそこまで心配していることを理解してほしいとも思っています」


 ふむ、つまりはスワングループを動かすだけの材料を提示してほしいと安西さんは思っているのかもしれませんね。


「私が言えるのは、何もパンツを脱いでほしいと言っているわけではありません。ただ、ズボンを脱いでくださるだけで良いのです」

「あ〜、いや、真面目な話をですね。していたのでそれほど元気ではないと言いますか」


 元気ではない股間を見せて、意味があるのか不安になります。


「なるほど、そういうことでしたか、それでしたら」

 

 ユナさんは立ち上がって床に座る私たちの前で、ベッドに移動して短いスカートの中身が見えそうな高さに座ります。


 それだけでドキッとして反応してしまいました。


 ユナさんは私のツボを心得ていますね。


「オジ様だけにズボンを脱がせるだけなど、鬼畜の所業だと私も思います。そこで私が先に脱ぎますので、代わりにズボンを脱いでいただけませんか?」


 どういう理屈でそうなんですか?!


「そういうことですか! さすがは白鳥家の次期当主殿です!!」


 何がそういうことなのかわかりませんが、青羽さんもユナさんの意見に賛同したように、明るい色をしたスーツの上着を手にかけました。


「なっ! 二人とも何をなされているのですか?!」

「詩織さん、あなたが心配と興味から問いかけたことで、あなたも責任を取るべきでは?」

「わっ、私もですか?」


 黒いパンツスーツを着ている詩織さんも私をチラチラと見ながら上着を脱ぎました。鍛えられているのに引き締まった腰とは裏腹にボリュームある胸元がはち切れそうです。


 物凄く安西さんはスタイルが良かったです。


「確かに私の発言は非常識でした。男性に向かって証拠を見せるために服を脱げというなんて、最低なことです。鈴木さん、失礼なセクハラ発言をしてしまって申し訳ありません」


 あ〜、あれですね。


 元の世界で、本当に女性か証明したいなら、服を脱いで見せろというような感じなのでしょうね。


 安西さんの発言はかなり際どい言葉だったようです。


 この世界では、男性の方が恥じらいを持つような場面なんですね。


「えっと、そんなに何度も謝っていただかなくても大丈夫ですよ」

「寛大なお言葉ありがとうございます。普通の男性ならヒステリックに怒鳴り散らす方もおられるのに、それだけでも鈴木さんがとても紳士的な方であると理解できます。本当に申しわけありませんでした」


 下着姿で土下座するのはやめていただきたいです。


 目のやり場に困ってどうすることもできません。


 って言っている間に三人とも下着姿なのですが、どうすればいいんですか?!

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