第18話

 Side佐藤大輝


 僕のプライドを傷つけたあのオッサン、鈴木一について僕は嫁たちを使って調べ上げた。


 結奈の前で僕に恥をかかせたこと、絶対にあいつを許すわけにはいかない。

 結奈を手に入れるためには、あのオッサンをよりも僕の方が優秀であることを見せつけて徹底的に追い詰めてやる。


 僕はnew tubeの登録者数100万人を超える人気者だ。


 この力を使って鈴木一を潰す計画を立て始めた。


 単純なことだ。ネットを使って鈴木一がどれだけダメな人間なのか晒してやるだけでいい。


 まずは、鈴木一のプライベート情報を探り出すことから始めた。

 

 嫁たちに頼んであいつの仕事場から、知り合いに聞き込みをし、SNSを駆使して奴の生活や過去を調べ上げた。


「くくく、僕を敵に回したんだ。これであのオッサンの情報はバッチリだな」


 次に、new tubeのライブ配信を利用して、鈴木一を公開で追い詰める計画を立てた。ライブ配信は多くの視聴者が注目するため、効果的だ。


 ライブ配信の準備


 僕はライブ配信の準備を整え、配信の告知を行った。


「次のライブでは、皆さんに驚きの情報をお届けします」と予告し、視聴者の関心を引く。


 ライブ配信開始


 ライブ配信が始まると、チャット欄には多くの視聴者が集まった。

 僕の顔を見たくて、多くの女たちが集まっていく。

 そんな女たちに満面の笑みを浮かべながら、配信を始めた。


「皆さん、こんにちは! 今日は特別なライブ配信です。最近、ある人物が僕の学校に出入りしているんです」


 視聴者の期待が高まり、チャット欄が一層賑わう。

 普通に鈴木一のプライベート情報を公開すれば、それは犯罪になってしまう。


 だから、僕はある予想を披露することにした。


「この人物の名前は鈴木一さんという。彼は三十歳を超えているサラリーマンです。そんな方がどうして学園に来ていたのか!?」


 視聴者からは……。


「なになに?」

「そんな奴がいるのか?」

「何を発表するの?」


 コメントが良い感じで問いかけてくる。


 そこに僕はありもしない憶測を打ち込むことにした。


「この鈴木さんは、三十歳を超えていて仕事でも全然上手くいっていないそうなんだ。同僚からも嫌われているんだって。だけど、そんな彼は我が学園の大金持ちの少女に近づいていたんだ」


 視聴者からは三十歳オーバーという深刻で、誹謗中傷をいう人もいたが、僕はあえてそれを宥めた。


 同じ男として心が痛くなると言えば、僕のことを良い奴だと勝手に解釈してくれる。


「ひどい奴ね」

「そんな奴は学校に来るな何を考えているんだ? 不審者じゃないのか?」

「危ない人よ! きっと」


 ふふ、嫁たちがサクラになって、コメントに油を注いでいく。


 次が最後の一手だ。


 最後に、俺は鈴木一の写真を公開し、視聴者に対して僕の見解を告げる。


「皆さん、これは僕の憶測だが、この鈴木さんは三十歳を超えているが、もしかして男としての機能を失っていなんじゃないか? だから大金持ちの女性を物色するために女子高生を見るために、僕の学校に来たんじゃないかって思うんだ!」


 そんなことはありえない。


 それをわかっているが、視聴者なんて勝手に憶測を膨らませていくことだろう。


 僕の発言によって100万人の視聴者が、これを見て鈴木一に注目する。

 その間に、僕は結奈を落としてしまえば良い。


 俺の可愛い視聴者たちよ。


 上手く動いてくれよ。


 視聴者からは、最後にコメントがなくて静かだったが、大丈夫だろう。


 僕は満足して配信を終了した。


 ライブ配信を終えた後、俺は満足感に浸りながら椅子に座り込んだ。


「よし、これであのオッサンは終わりだ。結奈も俺のものになるのも時間の問題だな」


 僕は心の中で勝利を確信して、さらなる計画を練り始めた。

 結奈を手に入れるためには、どんな手段でも使うつもりだった。


 邪魔者を排除したから、じっくりと距離を近づけてやる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る