第17話
・Side佐藤大輝
僕は学校だけじゃない、最近は芸能関係にも声をかけられ、new tubeの登録者数は100万人を超えるほどの人気者だ。
この美貌も知性も兼ね備え、誰もが僕に注目している。
そんな僕が手に入れたい存在、それが白鳥結奈だ。
彼女はこの学校で一番の美少女であり、俺のプライドを満たすための最高のトロフィーと言えるだろう。
見た目だけなら、小柄で可愛い女はいくらでもいる。
だが、家柄、容姿、周りからの評価など全てを兼ね備えた存在は白鳥結奈だけだ。
つまり、一番モテる俺の元に、もっともふさわしい女と言えるだろう。
土曜日、僕に惚れている未来の嫁たちを引き連れて、結奈にアピールしようと思っていた。
彼女は土曜日になれば、生徒会の仕事をするために学校に来ることはわかっていたからだ。
だが、やっと結奈を見つけて近づいていくと、見知らぬオッサンと一緒にいた。
最初は結奈の父親かと思ったが、白鳥家の人間を頭に入れている。
だから、僕の知る結奈の父親とは別人であることはすぐにわかった。
「おや? そこにいるのは結奈さんじゃないか? こんなところに何を?」
「佐藤君ですか」
いつものように自信満々に結奈に声をかけた。
当然のことだ。僕は全ての女子に愛されるために生まれてきたような男なのだから。
だが、彼女はオッサンの後ろに隠れて、まるで俺の存在がどうでもいいかのように振る舞っていた。
「どうだい? 土曜日の学校で会えたのも何かの縁だ。僕と午後のデートに行こうじゃないか」
「オジ様、彼は佐藤大輝君と言って、学園でも人気のある男子生徒なのです」
僕の自信に満ち溢れた提案に対して、結奈はオッサンに向かって説明を始めた。
まるで僕の存在を軽視するような態度に苛立ちを覚えた。
「こんにちは、佐藤君。結奈さんに学校見学をしていただいているので遠慮していただけませんか?」
なんだこのオッサン! 男は三十歳を超えてたらオワコンなんだよ!
おいおい、お前が僕を見下してるんじゃねぇよ!
「結奈さん、今日も美しいね。君がいるだけで学校が明るくなるよ」
俺は結奈に話しかけることで、オッサンの存在を無視することにした。
しかし、結奈はオッサンを守るように一歩前に出た。
「いえ、結構です。私はオジ様と二人で見学を楽しんでおりますので」
「そうですね。今日知り合ったばかりの佐藤君がいると、私も緊張しますので遠慮させてください。私たちは二人で見学を楽しんでいます。あなたの付き添いは必要ありません」
二人の言葉に、僕は怒りを感じた。
この学校で一番の人気者であり、誰もが僕に従うべき存在だ。
それなのに、このオッサンと結奈は僕を軽視し、プライドを踏みにじってきた。
「お前、何様のつもりだ? 結奈さんは僕のものだ。お前のような奴に近づかせるわけにはいかない」
怒りに任せてオッサンに言い放ったが、一歩も引かずに僕を見つめ返した。
「結奈さんは誰のものでもありません。彼女自身が決めることです」
結奈が僕のものではないと言われ、さらに苛立ちを感じた。
結奈は僕の未来の正妻だ。
僕だけが彼女にふさわしい。
「オジ様、ありがとうございます。佐藤君、私はあなたのものではありません!」
結奈の言葉に、僕は衝撃を受けた。
結奈が僕を拒絶するなんて、考えたくもない。
「いいでしょう。今日は大目に見てあげます。でも、忘れないでくださいよ。結奈さんは僕のものだ」
僕は冷笑を浮かべながら言い残し、その場を去った。
しかし、心の中にはオッサンに対する強い恨みが芽生えていた。
しかも、俺の嫁たちがオッサンの対応に色めき立っていることにもイライラする。
僕はあのオッサンに対して復讐心を燃やしながら、計画を練り始めた。
結奈を手に入れるために、あのオッサンは邪魔だ。
排除してやる。
僕を舐めてもらったら困るな。
new tubeの登録者を使えば、簡単にオッサンなんて排除できるんだ。
僕のプライドと名誉のために、徹底的に追い詰めてやる。
「待っていろ、オッサン。僕の力を見せてやる」
僕は心の中で復讐を誓い、行動を始めた。
結奈を手に入れるために、どんな手段でも使うつもりだ。
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