第14話

 ・Side白鳥結奈


 本日のオジ様は元気がありませんでしたね。

 

 とても心配です。


 最近は、オジ様を観察して、好みを探すようにしています。


 オジ様は男性には珍しいタイプで、私のようなタイプが好みだということはわかっています。

 

 普通の男性は、幼くて小柄な女性を好みます。

 自分が支配しやすい女性がタイプな方が多い中で、私は身長が高くて胸も大きいのです。


 ですが、私の体を見てはいけないと視線を逸らしながら、いつも必死にテントを張らないように悶えている姿が可愛くて仕方ないのです。


 ふふ、毎日私を楽しませてくれるオジ様を観察するのは飽きませんね。

 

 さて、そんなオジ様が会社に行って落ち込んでいるということは、会社で何かあったのでしょう。


 オジ様の周りは、すでに調査を終えています。


 奥ゆかしいオジ様の周りにいる人々ですからね。


 余計なことをされては困るのです。

 そして、職場でオジ様と関わりがある人物と言えば、青羽美玲さんでしょうね。


 家の影響力を使って、青羽さんの住所を突き止めています。


 ですから、彼女の家を訪れることにしました。


「はい、どちら様ですか?」


 インターホン越しに青羽さんの声が聞こえてくる。


「初めまして、白鳥結奈です。私のこと、ご存知ですよね? 少しお話ししたいことがありまして」


 私が話しかけると、少しの沈黙の後にドアが開いた。


「白鳥結奈さん、あなたがどうしてここに…?」

「突然の訪問で驚かせてしまってごめんなさい。どうしてもお話ししたいことがありましたの」


 青羽さんは戸惑っている様子を見せますが、すぐに無表情になられました。


「どうぞ、お入りください」


 リビングに通され、私たちは向かい合って座ります。


 窓からはオジ様のお部屋が見えます。


 ふふ、なんて羨ましい。


 彼女の家はシンプルで整然としており、彼女の性格を表しているようです。


「実は、鈴木一さんのことについてお話ししたいのです」


 私が切り出すと、青羽さんはわかっていた様子で表情が少し緊張しました。


「鈴木さんのことですか…? どうして私に?」

「ふふ、とぼけないでください。私はオジ様の安全を守るために、あなたに協力したいと思っています。あなたは彼の職場での監視と護衛を任されているのでしょ?」

「ッッッ!」


 彼女にしては珍しく動揺した顔を見せました。


「隠しても無駄ということですか?」

「その通りです」

「わかりました。鈴木さんの安全を守ることが私の任務です」

「よかったです。ふふ、私も彼のことを大切に思っています。彼を支えるために、あなたの力を借りたいのです」


 私の申し出に少し考える様子を見せる青羽さん。


 さて、彼女はオジ様の秘密を知っているのかしら? どこまでオジ様について知っているのか? それが問題だわ。


「具体的にどのような協力を求めているのですか?」

「彼の身の回りで気になることがあれば、私に知らせてください。また、彼が困っていることがあれば、私も支えたいと思っています。その際には私からあなたへ報告します。どうですか?」


 青羽さんが知らない情報を私が伝え、彼女が知っている情報を私が知る。

 男性は数が少ないので、女性同士で共有することは常識的な話です。


「わかりました。鈴木さんのために、協力させていただきます」

「ありがとうございます。オジ様のことを一緒に守りましょう」


 私は微笑みながら言った。


 早速、彼女の職務や日常のことについても話を聞きました。


 話を聞けば、青羽さんが真面目で誠実な人であることがよくわかります。


 彼女がオジ様を守るために、どれだけ努力しているかが伝わってくるわね。


「あなたはどうして鈴木さんにそこまでこだわるのですか?」


 青羽さんからの質問は当たり前のことね。


「オジ様に命を助けていただいたのです。それにオジ様に抱きしめられて男性への気持ちが初めて芽生えたのです」

「つまりは、初恋ということですか?」

「そうですわね」

「……そうですか」


 青羽さんに協力を取り付けたことで、これで会社でもオジ様が落ち込む理由がわかるようになるでしょう。


 オジ様のことを、たくさん愛してあげないといけないわね。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 あとがき


 どうも作者のイコです。

 気分転換で投稿を始めて、たくさんの方に読まれて嬉しいです(´༎ຶོρ༎ຶོ`)


 この話までが序章として、次の話から本編に行きますね(๑>◡<๑)


 気軽に読んでくださると嬉しいです! どうぞよろしくお願いします。

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