第11話

 週末は花井さんに癒されながらも、股間を開放してしまったことを恥じなければいけませんね。


 今の私は白鳥さんにバレてしまったことで気が緩んでしまっていました。

 これからは気を引き締める必要があるようです。


 もしも、大勢の女性にバレてしまえば、珍獣として扱われて、怪しい研究機関に連れて行かれるかもしれないのですから。


「オジ様、おはようございます」

「はい。おはようございます」

 

 月曜日の朝から超絶美人な女子高生に送り迎えされる三十五歳のサラリーマン。

 

 う〜ん、とても優越感に浸れる響きではありますが、あまりにも背徳感が強すぎて、それ以上を想像してはいけない気がします。


「白鳥さんは」

「オジ様、ユナと呼んでくださいと言ったではないですか」

「あ〜、えっと」

「それとも、雌豚と罵りたいですか?」

「えっ!」

「オジ様はこれまで多くの女性に虐げられてきました」


 この子は何を言っているんだ?


「申し訳ありません。私はこれまで三十歳超えた男性がどのように暮らしているのか知りませんでした」


 ああ、そういうことか、女子高生である彼女には社会で生きる三十歳オーバーの男性が、どのように扱われるのか知らなかったようだ。


「えっと、それでどうして雌豚?」

「それはもちろん。これまで虐げた女性に対する恨みを私で晴らして、憂さを晴らしていただこうと思ったのです」

「いや、そんなことしなくていいよ」

「本当によろしいのですか?」

「はい! そういう性癖は持ち合わせていません!」

「……そうですか」


 なぜ、そんなにもガッカリとした顔をなさるのでしょうか?


 赤を基調とした制服に、黒いニーハイソックスを履いているユナさんはどこを見ても目のやり場に困ってしまいます。


 スタイルが良くて身長160センチぐらいでしょうか? 出るところは出ているのに足は細くて胸やお尻は女性らしい丸みを持つとか、どこまで完璧なんですか?


 私、足フェチではありませんが、胸は見てはいけないと思うので、視線を下げてもニーハイに釘付けです。


「ふふ、オジ様」

「はい?」

「女性は男性の仕草や視線がとても喜ばしいのです」

「えっ?」

「男性には恥じらいを求める傾向がありますが、私はもっとオープンで良いと思うのですよね」


 そう言って徐々にユナさんが組んでいた足を下ろして広げていく。


「なっ、何を!」

「先ほどからオジ様の視線は、私の足元にあります。もしかしたら、私がオジ様の秘密を知ってしまったので、オジ様も私の隠された場所が見たいのではないかと思ってしまったのです」


 徐々に開かれる足元は唾を飲み込んでしまう。


 もう少しで……。


「お嬢様、到着しました」

「あら、もうですの?」

「はい」

「オジ様、本日の遊戯は終わりです」


 そう言って足が閉じられる。


 わっ、私は何をしていたのでしょうか? 女子高生に翻弄されてしまっている。


 くっ、貞操帯で抑えた股間が痛い。


「オジ様、もしも解放したくなれば、いつでもお相手致しますよ」

「なっ!」

「ふふ、女性専用のお店でするよりもオジ様が相手なら、喜んでこの身を捧げます」

「かっ、揶揄わないでくれないか?」


 私は慌てて車を飛び出した。


「ふふ、夕方も楽しみにしておりますね」


 ユナさんの手のひらの上で転がされている自分に恥ずかしさと、少しばかりの心地よさを感じてしまっている。


 ドキドキと胸が速くなり、股間がズキズキと痛い。



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