第10話
それからの日々はなんだか楽しくて鈴木さんとの猫談義が私の日常に加わったことで、毎日が楽しくなりました。
鈴木さんがスーパーに来る日が待ち遠しくて、バイトの日にちを増やしたほどです。
ある週末の午後、いつものようにスーパーで働いていた私の前に鈴木さんが現れました。
ここ数日、来られていなかったので体調を崩していないか心配だったので、よかった。
カゴには、クゥちゃんのためのキャットフードやたくさんの食材が買い込まれています。
私は休憩時間になってしまったのでレジが出来なくて残念に思いましたが、鈴木さんがバックヤードを通ってくれてお茶をすることになりました。
いつもスーツな鈴木さんが、カジュアルな服装をしていると、なんだかカッコよくて、ついつい見ちゃいけないって思いながらも、股間に視線を向けてしまいます。
「最近、クゥちゃんはどうしていますか?」
私は意識を逸らすように話題を振って、視線の先に膨らみを見てしまいました。
スマホをポケットに入れているのかな?
「クゥは元気ですよ。この間、新しいおもちゃを買ったら、大喜びで遊んでいました。でも、子猫の頃は大変でした。特にトイレのしつけが難しくて、何度も失敗してしまったんです」
「それは大変でしたね。子猫のしつけは根気がいりますから。でも、鈴木さんが頑張ったから、クゥちゃんも今はちゃんとできるんですね」
熱心に語ってくれていますが、私の視線は股間に釘付けです。チラチラと視線を向けていると、胸だけでなく、下腹部まで熱くなってきます。
「そうですね。でも、それだけじゃなくて、一度クゥが風邪を引いたときは本当に心配しました。小さな体でくしゃみをして、ぐったりしてしまったんです」
鈴木さんは少し悲しそうな顔をしました。
胸が締め付けられて、そんな顔をしてほしくない。
だけど、私にだけ見せるのかなって思う優越感もあります。
「わかります。私もミミが子猫の頃、風邪を引いたときはすごく心配しました。暖かい環境でしっかり看病することが大切ですよね」
「その時、動物病院に連れて行って、いろいろなアドバイスをもらって、何とか元気になってくれました。あの時は本当に安心しました」
鈴木さんは安堵の表情を浮かべました。
本当によかったです! ああ、鈴木さんといる時間は癒しだな。
そっ、それにこれはきっと私の初恋なんだ。
「本当に良かったです。クゥちゃんが元気になって、今は楽しい日々を過ごしているんですね」
自覚をすると顔が熱い。
「はい、クゥが元気でいてくれるおかげで、毎日が楽しいです。花井さんのアドバイスもいつも助かっています」
鈴木さんが私に感謝の気持ちを伝えてくれました。
とても嬉しい。
「それは良かったです。私もミミを飼っているので、何か困ったことがあったら、いつでも相談してくださいね」
その後も、私たちは猫の話題で盛り上がり、時間を忘れて会話を楽しみました。
鈴木さんと過ごすこの時間が、私にとって何よりもかけがえのない時間で、ずっと続けばよいと思ってしまう。
「また、クゥちゃんの話を聞かせてくださいね」
「もちろんです。花井さんとの猫談義が私の楽しみになっています」
鈴木さんは微笑んで応えました。
あ〜鈴木さん! 大好きです。
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