第2話 「目的以外のご利用はおやめください」

 「目的以外のご利用はおやめください」

 これも最近よく目にする言い回しである。事故が起きた時にクレームをつけられたくないからだろうが、言うならちゃんと言え!とは思う。「目的」と言われても、はっきり目的・使い方が書いていない場合は多々ある。「見ればわかるだろう」というなら、それはあまりにも無責任じゃないか。見ればわかるものなら、普通は正しく使える。正しく使えない人に言いたいのなら、もっと丁寧に書くべきだと思う。


 この「目的以外のご利用をおやめください」を図書館のトイレで見たことがある。仮にも図書館だろ、日本語を伝わるように正しく使えよ。言い逃れされないように。目的、目的、って、それ、人によってだいぶ違うから。


 「私は、便所飯する目的で利用しました」でも、「私は、盗撮する目的で利用しました」でも、「私は、赤子産み落として遺棄する目的で利用しました」でも、全部「目的のための利用」だから。「『目的以外のご利用はおやめください』って書いてあったでしょ?」と言ったところで、正しい利用について伝える義務を果たしたとは言えない。犯罪はともかくとしても、「自分の目的にあった利用をしました」ってことであれば、何されてても、文句は言えない。書いてある通りのことをしただけなのだから。

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