2, それが王女としての務めだもの
「あちらに持っていくものは後で用意するとして……まずはこの書類仕事を終わらせないといけないのよね……」
私は自室のテーブルに置いておいた書類の量を見て小さくため息を吐いた。というかこの仕事の殆どは私の仕事じゃなくて【あの子】の仕事だというのに……
そんな事を考えていればバタバタと騒がしい足音が近づいてきた。あぁまた騒がしくなる…
「お姉様!どうして朝食を一緒に食べてくれなかったんですか!」
「……ソレイユ。」
「起きたらお父様にお姉様はもう朝食を食べたってメイド達が……!」
「また起きれなかったのね……」
「だってだって…!」
「起きられないソレイユが悪いわよ……それと少しは落ち着いて話しなさい。貴方も王家の人間なのだから」
「……はいお姉様」
そう告げたあとソレイユ……妹は少しだけしゅんとした表情を浮かべたと思った途端すぐに表情を変え話題を変え話し続けた。一月後にはもうこの子の太陽のような笑顔は見れなくなる。そう思うとほんの少しだけ寂しく感じる
「……ソレイユ。お話もいいけれど貴方も公務があるでしょう。この書類は貴方の仕事のはずよ」
「だ……だって私書類のお仕事苦手で……」
「苦手でもやりなさい。それが私たち王女としての務めなのよ」
「……じゃあ私もここでお仕事する!それならいいでしょ!」
「全く……仕方ないわね……」
私はほんの少しだけ笑みを浮かべてから2人で仕事を進めた。この仕事が終われば部屋の片付けに荷造り……まだまだ休む事は出来なさそうね
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