26. 晩さん会
晩さん会には、王妃が3人のプリンセスにささえられて、参加しました。そして、席について、ゴーちゃんをひざの上にのせました。王妃がドレスを着たのも、みんなとテーブルについたのも、何ヵ月ぶりです。国王も、プリンスたちも、みんなハッピーです。
王妃はゴーちゃんをやさしくなでながら、それはそれはうれしそうです。その姿を見て、国王も、プリンスやプリンセスもにこにこしていますが、ゴーちゃんがいなくなってから、王妃がどんなにつらくて悲しい日々を送っていたのかを思い、心では泣いていました。
国王は、
子どもがゴーストワールドに行かなくていいように、
「プリンス・ゴードン・子ども
国王がデミアンをさがすのですが、彼の姿が見当たりません。さっきまでは、いたはずなのに。
「ぼくの名まえがのこるの?」
ゴーちゃんがうれしそうです。
「そうだよ」
「私はかならず
と王妃が言いました。
ディナーの後で、お礼に、コーラスを
動画もよかったけれど、ナマはちがう。すごいすごいと国王も王妃も、みんな
毎日、
「母鳥がきています。母鳥が子どもようすを見にきたみたいです」
べらもすぐに見にいきたいのですが、そういうわけにはいきません。
「国王がさがしておられましたよ」
「いないのが、ばれましたか」
「はい」
晩さん会のさいごに、国王が言いました。
「みなさん、ずうっとここにお住みになってはいかがですか。少なくとも、ゴードンがあちらに帰るまで、ここにいてくれませんか」
「いいんですか」
トットとクマハチはここが気にいっているので、ここに残りたいと言いました。
「モッヒくんはどうですか」
「ぼくは、アフリカにかえりたいです。王妃とゴーちゃんのことを見ていたら、母さんことを思いだしてしまったんだ。母さんに会いたいぜー」
と言って、泣き出しました。
「それでは、アフリカまで、プライベートジェットで送ってあげましょう」
「べらさんはどうしますか」
「わたしにはサンフランシスコに家も
「マリンくんはどうしますか」
「ぼくは、べらちゃんといっしょにかえりまちゅ」
晩さん会が終わった時、べらとデミアンはフラッシュライトをもって、急いで鳥のところに行きました。母鳥は石の上ではなく、近くの土の上にいます。
「子鳥はどこですか」
「母鳥の下。ほら、ちょっとだけ黒い羽根が見えています」
とデミアンが指さしました。母親が小鳥の上にかぶさっているのです。
「母鳥は、子供をあたためて、生き返らせようとしているのかしら」
ふたりはどうしたらよいものか、考えました。部屋に連れて帰る?医者にみせる?でも、たぶん、子鳥はもうだめなので、今は
「ぼくは国王から、プリンス・ゴードン・子ども病院の
「はい。子ども病院のことは、すばらしい考えです」
「そのことについてですが、べらさん、手伝っていただけませんか」
「わたしがですか。わたしには、そういうむずかしいことは、できません。ふたりのお兄さんプリンスが助けてくださるでしょう」
「一番上の兄は
デミアンは
「カリフォルニアから
べらは部屋にもどって、ゴーちゃんが10月に
「大好きなノベンバーへ、
ゴーちゃんにこの手紙をもっていってもらいます。
会えなくなって、3年になりますね。
わたしは元気よ。
あなたがのこしてくれた家で、ゆかいなフレンズと生きています。
ゴーちゃんが話してくれると思いますが、ちょっと
あなたはゴーストワールドの新会長だそうですね。そちらでもとても人気ものだって、ゴーちゃんが言っていました。
わたしがそばにいないと思って、ハメを外してはいませんか。
わたしが行くまではいいことにしますから、楽しくやってください。
わたしも早くそちらに行きたいのですが、まだやりたいことがあるので、ちょっと待っていてください。
やりたいことって、何か、わかるでしょう。
それは、小説を書くことです。書いてはいるのですが、まだひとつも、受かっていません。今、このゆかいで
そう、今、ゴーちゃんのミラベーラ王国に来ています。
明日、サンフランシスコに
生きていたら、世界はおどろくことでいっぱいですね。
ゴーストワールドでもそうですか。
いつか行ったら、いろんな
べら」
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