20. モッヒとの約束
その夜、べらは
べらの
フォーレストヒルの
「ひめ、だいじょうぶですか」
という声がしました。
「おばや?」
べらがきょろきょろしていると、てんとう虫のおしんが、ぴょんと
「おばや、びっくりしたわ。
「
「だいじょうぶよ。おばやこそ、だいじょうぶ?
「うとうとしていたら、ひめがノベンバーさんのことを話したことを耳にしたので、
ノベンバーというのが、ピアノのひとの名まえです。
「おばやには、なにでもわかってしまうのね。わたしは、だいじょうぶよ。ありがとう」
「ひめ、春まで、ひとりで、がんばってくださいよ」
「はい。おばやはゆっくり休んでください。春になったら、またよろしくお
べらはいつも見守ってくれているだれかがいることを知って、寒い
「ただいま」
べらがドアをあけると、みんながぞろぞろ出てきました。
「モッヒがボーカルをおりて、ゴーちゃんが歌うことになりました」
とクマハチが
「ぼく、たくさんれんしゅうするよ」
とゴーちゃんです。
「ぼくだって、コーラスとダンスの
とモッヒが、べらに
べらは
「今ね、うれしいことが、あったのよ」
このオルゴールは
見ている人がつられて、にこにこしてしまうような
「ノベンバー、あなたはのスマイルは
世の中には、笑うととたんにその
「わたしは、あしたから
べらはふだんは自分でツアーを
「べらと歩こう、サンフランシスコ」という企画で、12のコースあります。その中で、いちばん人気が、3つの有名なヒル(坂)を歩く10キロのコースです。
ユニオン・スクエアからノブヒルまで歩いて、グレイス
でも、時々はツワー会社から仕事を頼まれます。春には、ヨーロッパからの大事なお客さま一行を案内して、カリフォルニア中を回りました。あれは
明日からの仕事は、4泊5日の出張で、日本からの4人の
最近は
べらもすごく忙しいのですが、まっ、人が困っていたら、やるっきゃないものね。
それで、スーツケースに
「どうしたの、モッヒくん?ねむられないの?」
「うん」
「あったかいミルクでも
「べら、ぼくはあったかいミルクはのまないです」
「あっ、そうよねぇ」
モッヒはライオンですから、あたたかいものはのみません。
「べらちゃん、ぼく、そうだんがあるだ。ぼくね、コンテストが終わったら、アフリカに
「どうしたの急に。まずはすわって」
「ぼくね、ラッパーはだめだとわかったんだ」
「そう。歌はだめかもしれないけど、モッヒくんには別の道があるわよ。さがしましょう」
「ぼく、やっぱり
「わたしが、言った?」
「日本のえらいしょうぐんが、長男がつぐのがいちばんけんかが少ないって言ったって。200年以上、つづいたって」
べらが
「ぼくは
「でも、もう長いこと
「ちがうかもしれないけど、ぼくが帰ったら、弟たちはけんかをしなくなると思うんだ」
うーん、とべらは考えました。
「わたし、モッヒくんとは話したいと思っていたのよ。前に、
「べらちゃん、それはおぼえていてくれたんだ」
「もちろんよ。
「ぼく、うれしい」
「でもね、
「うん、それがいい」
「それじゃ、帰ってきたら話すことにして、
「うん。ぼく、べらちゃんが大好きだぜ」
モッヒが頭の毛をかきながら、ちょっと赤くなりました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます