15. いつか作家に?
べらはゴーちゃんのママ
ふたりがどこでどのようにして知り合ったのか、だれも知りません。おしんはめったにしゃべることはありませんし、それもささやき声なので、だれもおしんの声らしい声を聞いたことがないのです。
みんなはおしんがどの
でも、べらがおしんをたよりにし、おしんもべらを
てんとう虫はふつうは1年の命ですが、おばやはもう何年も生きているレジェンド虫です。てんとう虫の
「これから
とおしんが言いました。
「わかりました。おばや、ゆっくりお休みください。あたたかくなったら、よろしくお
その夜、マリンは遅(おそく》くまで起きていました。
べらが夜中にのどがかわいてキッチンに行くためにリビングを通りかかると、マリンがひとり、窓際(まどぎわ》にちょこんとすわっていました。
向いの家にはクリスマスのイルミネーションが
「マリンくん、ねむられないの?」
「あっ、べらちゃん」
「なにか、
「ううん、ちがうよ。今日は
マリンは、スラッカーヒルからよく
「おどろきばかりでちゅ。すごかったでちゅ」
マリンの目がまんまるです。
なんてきれいな心のマリンくんなのでしょう。べらの胸がつーんとしました。
どうしてこんなにピュアなスカンクが、あんなにくさいシャワーを出すのかしら。
きっと、そんな自分の小さなからだを守るために、
「マリンには、これからもっといろいろなものを見せてあげるわね。この
「ありがとう、べらちゃん。うれしいなぁ。ぼくは何も知らないから」
「マリンはとくべつにお
「あのう、べらちゃん、ぼくはサンタクローチュがサンフランシコに住んでいるなんて、知らなかったでちゅ。北のほうに住んでいると思ったいたでちゅ」
えっ。べらが目をぱちくりとしました。何のこと?
「それから、サンタクローチュがひとりではなくてたくさんいて、若いサンタさん、女の人サンタさんがいるなんて、知らなかったでちゅ」
「ちょっと
べらはちょっとねむたかったのですが、完全に目がさめました。
そして、この
今日はサンフランシスコでは、人々がサンタクロースのコスチュームをつけて歩く日なのでした。
「あれは本当のサンタクロースじゃないの。今日はね、若い人がサンタクロースのかっこうをして、バーやクラブを回ったりして
とべらが
「ああ、そうか。ぼく、まちがっちゃった」
マリンが頭をかきました。
そのしぐさがあまりにかわいらししくて、べらが
「マリンくんがわたしを
「ぼくも、べらちゃんとくらせて、うれしいでちゅ」
マリンがひっしになってマリンヘッドランズからわたしをさがしてくれたように、わたしもゴーちゃんのママをさがそう、べらはそう思いました。
ゴーちゃんは人間のママに会いたくて、ゴーストワールドからこの
では、ゴーちゃんはいつからゴーストワールドに住むようになったのでしょうか。
考えてみれば、ゴーちゃんが生きている人でないということはショック、かわいそうでなりません。べらはなんとかしてゴーちゃんママを見つけて、会わせてあげたいと思いました。
大好きな人に
べらの目には、そのときのようすが目に浮かんで、
だって、べらは・・・・・、べらにもゴーストワールドに会いたい人はいるのです。だから、ゴーちゃんママも、どんなにかゴーちゃんに会いたいと思っているか、よくわかります。
ところが、ゴーちゃんが自分の
ゴーストになると人間でいた時の思い出が
おばやも春になればがんばってくれることだし、そのうちに、思いがけないことから、何かきっかけが見つかるかもしれない。そういうことって、よくあるから、とべらは
とにかく、今は「ハッピー・ファミリー・コンテスト」に向けて
来年のハロウィーンにはゴーちゃんが
それに、もし
「作文のほうはべらちゃんにお
とクマハチがはり切っています。
「わたしが作文?
べらは、だれかほかにやりたい人はいないですか?と
「
とトットです。
「
「あっ、ごめん。
めずらしく、トットがあやまりました。
本当のことが口からというのに、かえってきずついたなぁ、とべらは思いましたが、こんな時は、
はははは。
でも、すぐに、
マリンが下から見上げていました。
「べらちゃんはこれからでちゅ。
「マリンくん、いつもありがとう」
べらがしゃがんで、マリンをやさしくなでました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます