11. ハロウィーン
10月31日のハロウィーンは、べらの仲間たちの一番好きなイベントです。
ハロウィーンの日は、アメリカでは
べらの仲間は
「べらちゃん、早く、早く。早く行こうよ」
それで、べらは急いで白いシーツに穴をふたつあけて、それを頭からかぶって、
「べらちゃん、それなぁに」
「ゴーストの女王よ」
べらはそう言って、おもちゃのかんむりをかぶりました。
ゴーストとはお化けのことなので、ハロウィーンにはぴったりです。
みんなはメトロにのって、ダウンタウンまで行きました。たくさんの人がいるので、みんなわくわくです。パウェル通りにならんでケーブルカーに乗って、坂道をのぼったり、下ったりしました。ちょっと
ケーブルカーをおりて、ピア39のKドックという
「こんにちは、オウーン」
とトットが元気にあいさつをしました。
「ウオッ、ウオッ、ウオッ、オッス」
という大きな声がかえってきました。アシカたちが声をそろえて鳴くと、
べらちゃんチームも、「オウーン、みんなで来たよー」と声をそろえて、負けずに大きな声を出しました。
「しばらくぶりだね。げんきだったかい」
とアシカのボスが言いました。
「げんきげんき。ことしは
まりんは小さいので、べらが
「ぼくがまりんでちゅ」
マリンは赤いゴールデンゲートの
「ぼく、あそこからきたんでちゅ。よろしくおねがいいたしまちゅ」
「マリンは、
「はい。あそこで、生まれたんでちゅ」
「マリンヘッドランズのおくには、ママル・センターというのがあって、けがをしたぼくたちの
とアシカが言いました。
「ぼくは行ったことがないでちゅ」
「わたし、そこにガイドとして行ったことがあるわ。ボランティアがはたらいていて、すばらしいセンターよ」
とべらが言いました。
「ぼく、行きたい」
とトットが言いました。
「ぼくも行きたいでちゅ」
「こんど、みんなで行きましょう。わたしが
久しぶりに、夜のサンフランシスコで楽しく遊んで、すっかりねむたくなって、フォーレストヒルの家に帰ってきました。
べらはさっきからだれかにつけられている気がして、
べらが家にはいろうとすると、木の後ろにだれかいるようです。
「そこに、だれかいる?」
だれも答えません。
でもべらは何かを感じたので、木に
「だれか、いますか」
すると、木のかげから、ひよっこりと白いゴーストのコスチュームを
「あらあら、あなただったのね。みんなからはぐれて、
その子がのこのこ歩いてきました。
「ぼくのママをさがして」
とその子が言いました。
かわいそうに。ママからはぐれてしまったのね。
「きんじょに住んでいるの?」
「ちがうよ」
とその子が首をよこにふりました。
いいわよ、まかせておいて。わたしがあなたのママを
「わたしはべらよ。あなたのお名まえは」
「プリンス・ゴーちゃんだよ」
「ゴーちゃん、おうちの
「知らない」
「おうちはどこ?」
その子がだまって上をゆびさしました。
「空からきたの?」
その子がうんとうなずきました。
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