7. オットセイのトット
では、ここで べらの
スカンクのマリンが
それに、てんとう虫のおしんがいます。おしんは小さいのでどこに住んでいるのかはわかりませんが、べらにずうっとよりそっていて、
トット、クマハチ、ライオンの3人がベラの家にやって来たのは、2年前の雨の日でした。べらがこの家に引っこしてきて、すぐのことです。引っこしのダンボールをようやく片付けて、ソファに座ったら、
雨の日は
だれかと
べらは青いかさをさして外に出て、町まで行きました。して、ミッション通りのトリフトショップ、つまり
では、トットの話からです。
「ようこそ、アシカさん」
べらがあいさつをした時、
「
と彼がおこったように言いました。
「どうちがうの?」
「足を見てよ。オットセイの足のほうが、アシカより長くてきれいなんだ」
トットはプライドを
「ごめんなさいね」
「しろうとには見分けがつかないから、しかたがないよ」
トットがやさしくなりました。
オットセイの本名は「オットット」ですが、
このトットにはひとつ
泳げないオットセイが世の中にいるはずがないって?
そんなことを言う人がいたら、べらならこう言うでしょう。
You don’t know anything!
あなたは何も知らないのね。
飛べない鳥がいるように、泳げないオットセイだっているのです。
世の中には、いろんな人がたくさんいるのです。
「うきぶくろになんてもっていて、おかしいだろ。みんなみたいに、笑っていいよ」
「おかしくなんかないわ。人とちがうのって、いいことじゃない?」
べらがグーのサインを出しました。
「それが
「ふつうはつまらないわよ。いいの?」
「ふくとかヘアなら、べらちゃんみたいに、人とちがうのがいいけど、オットセイがおよげるのは、ふつうのことなんだよ」
「じゃ、およぎのれんしゅうするしかないないわね。やってる?」
「これから、やることにする」
「そうだわ。およげないのなら、立って歩くれんしゅうをすればいいんだわ」
「べらちゃん、そっちのほうがもっとむずかしいんだよ。ぼく、足が短くて、からだが大きいんだから」
「あっ、そうかぁ。うちのバスタブ(おふろ)でれんしゅうすればいいわ」
べらは人はいいけれど、時々天ねんなのです。
「わかった。れんしゅうする」
トットがべらの家に住むことになって、ふたりはハイタッチをしましたが、トットの手は
「ああ、ごめん。べらちゃんがにんげんだって、わすれてた」
それから、トットは、時々バスタブでおよぐ
トットは、いつか、いつくもの
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