めでたし。めでたし。

第1話 なぜなら、自分の心の弱さから。

ああ、きっと今の状態では続けられない。

そう思ってしまった。

彼女にはもう、そんな思いは無いのだし。

彼女のそんな声でさえ、心を揺さぶられてしまうのだから。

こんな状態では、到底。

ずっと心の中にいた。

おそらく今まで、欠けることなくいた。

大きかった。

だから、だから、つらかった。

こんな最後、とは思うけれど。

それよりも、このまま続けて心を揺さぶられる方が遥かにつらいと思った。

だから、申し訳ないのだけれど。

大丈夫。大丈夫。

いつか必ず、だから、大丈夫。

すごいんだよ、君は。

そんな決断できるなんて。

自分のためになんて、責めないで。

今まで1人で戦ってきたんだから、いいんだよ。

誰にも言えなくて、伝えたくても伝えれなくて、それでも相手は進んでいて。

明るく振る舞えば、周りは安心するから。

つらかったね。よく今まで1人で耐えてきたね。

もう大丈夫。大丈夫。もう悩まなくていいんだよ。考えなくていい。泣いていい。もう無理に立たなくていいんだよ。

逃げなんかじゃないよ。

将来のための、立派な決断なんだ。

そう、決断だよ。

今まで自分を動かしてきた原動力を、胸の中に確かにしまい、諦める。

誰にでもできることじゃない。

諦めという決断は、君が強いからできることなんだ。

だから、大丈夫。

いつか、必ず。

この期間が必要だったって。

あの場所が必要だったって。

あの出会いが、あの時間が必要だったって。

あの決断が必要だったと。

必ず、思うことができる日がくるよ。

大丈夫。大丈夫。

本当に今まで、お疲れさま。