クズから逃げよう
帰宅したら少し様子がおかしかった。なんというか空気が違う。
もしかしたらゲートが世界中に現れてそれがニュースにでもなってるのかな?
と思ったが帰ってる道中にテレビがおいて放送してある家電屋さんがあって見てみたが特にそういったニュースはなかった。
じゃあこの家の様子はどうなんだろうかと気配察知でリビングに両親がいることが分かったので自宅なのに泥棒に入ったかのように抜き足差し足でリビングに行き聞き耳を立ててみた。
両親がなにやら会話をしていた。
そしてその内容はとてもこの世のものとは思えない会話だった。
「あいつの買い手はついたのか?」
「えぇ、隣町の山田ってじじいのところ。いい金になったわ」
「ちゃんと山分けだぞ。あいつ不愛想だが見た目だけは良いからな。五歳であれだ。いい年齢になったらえらく美人になるぞ」
「まぁ話し方は男口調だけどね。山田んところはそういうやつがいいんだそうよ」
「終わってんな」
「あんたが言う?十五歳に手を出してるくせに」
「そういうお前だって佐藤とヤってんだろうが」
「まぁ、あいつが帰ってきたらとっとと売っぱらって離婚しましょ」
「あぁそうだな」
背筋がゾッとした。
ここって日本だよな?人身売買って日本でやってよかったのかよ
いや、何とか理由を作って養子縁組とかか?
にしてもだろ
つかお前らどっちも知ってたんかい
そんなことよりもこれはまずい。早く逃げないと
でもどこに逃げる?子ども家庭センターか?でもそんなこと言っても子供一人で何とかなるのには時間がかかりすぎる。変なじじいに食われる。いろんな意味で
オレは前世から心は女だ。だからって恋愛対象は男ではないぞ。レズビアンだぞ。
男は友人にしか見えん。いや年上だったらなんだ?親戚か?それでもあいつらの親戚はいやだが。
ここでハッと思い出す
あるじゃないか。逃げる場所
そしてオレはまた抜き足差し足と家から出てアジトにあるゲートに向かうのであった。
アジトにあるゲート前にて
「はぁ……はぁ…………あいつら真正のクズだな」
マジでこども売るっていつの時代だよ。っていうか日本だぞそんなことあんのか?
少なくともオレや前世の俺にはそんな話は常識ではなかった。
「しっかしあいつらいるのなら家にはもう二度と帰れんな。ごはんは…………まぁ何とかなるが風呂とか洗濯が気になる」
前世の俺は家にいたときはまぁこれが当たり前と思って生きていたが、施設に入り清潔でいることの重要さがよく分かったのだ。そしてオレはその清潔さを知ってしまっているためどうしようもなくなっていた。
ちなみにご飯は創造魔法で何とかなるし、野草とか木の実を食べれば何とかなるので大丈夫だ
「ちくしょう……風呂にも入れやしねぇ」
とここで名案を思い付いた。
想像魔法で自分の体がきれいな状態を想像いたらどうなる?
と思い一思いに実行。そして成功した。
風呂上がりのようなさっぱりとした感覚があった
「あぶねぇ、この魔法何気に便利だけどムズイ」
漫画とかアニメはわかりやすく言うと科学魔法みたいな感じ。
科学を用いて事象を起こすのだ。酸素を集めてそれを燃やしたり、空気中のH2oを集めて水を作ったりとかの方法だ。
そしてオレはそんな常識として教わったことをフル無視して魔力のみで事象を起こす。
まぁ、ファンタジーの魔法だ。
だが何気に常識として教えてもらった科学が邪魔をする。
その考え方が難しいのだ。
だが慣れれば科学を用いた魔法では到底到達できないことができる。地面を割ったりとか。
それを思えば俄然やる気が出た
「よし!今度こそオレは死んだのだ!帰る場所もない人間は自由を謳歌するぞ!」
と二度目の死んだ宣言をしゲートに入っていった。
ゲート内部
入った先にはメタリンがころころと遊んでいた。
「ふは!メタリン何してんだよ!」
メタリンは驚いたかのように体をびくつかせこっちにころころ転がってきた。
メタリンは帰ない?と言うように感じた。
「あぁ。聞いてくれよメタリン。さっきさ帰ってからさぁ、、、、」
とメタリンについでに向こうの世界にの常識を教えるかのように愚痴をこぼすように話した。
メタリンは慰めてくれ、さらには「大丈夫!僕、いるよ!」とかっこいいことを言ってくれたような気がした。
オレは何かの糸が切れたかのようにメタリンに抱き着き泣いたのだった。
少し泣いた後にメタリンに謝罪とお礼をいって百円玉硬貨を十枚ほど創造魔法で作りメタリンに渡した。そして自分用にミカン三個とリンゴ一個作りそれを食べた。
「じゃあメタリン!レベル上げしよっか!」
現在の平原の様子からして夜中なのは間違いないがメタリンと一緒に居れるワクワクとゲームを夜中にしている気分で寝れる気がしなかったので、運動して体を疲れさせることにした。
メタリンも乗り気のようでふんすふんすと意気込んでいる
ならばと思いメタリンに聞いてみた。
「なぁメタリン。お前装備擬態っていうユニークスキル持ってるんだけどさ何か装備になったりできるの?」
メタリンからの返事は「?」だった。
「メタリン、お前もしかして装備見たことないの?」
肯定の感情が伝わってきた。
わぁお、それはどうしようかとも思ったが今のオレの体は五歳児だ。メタリンが剣に代わっても持ち上げられるかどうかというところだから今はあきらめることに。
そしてオレはメタリンを雪だるまを作るかのように手で転がしながら気配察知で察知したスライムの方向に向かい殲滅した。
それから察知しては殲滅。そのあとに鑑定を行い、レベル上げること一時間くらい。
「鑑定」
*涼宮優香Lv4
従魔
・メタリンLv2
ユニークスキル
・鑑定Lv4
・創造魔法Lv2
・想像魔法Lv3
・外部魔力使用可能
スキル
・気配察知Lv3
・毒完全耐性
*メタリンLv2
ユニークスキル
・装備擬態
・完全魔法耐性
だった。
つまりスキルにもレベルがあるものとないものがあると。
それだけしかわからなかった。
もうちょっとさ…ほら……なんかあんじゃん?
「メタリン!もっとレベル上げするよ!」
メタリンはさらにやる気になった。
まぁメタリンも装備にならなくても経験値が入っているのが分かったのが一番だな
さらに一時間後
メタリンがレベルが上がっていたが特に変化はなし。
もしかしたらモンスターはレベルでの変化ではなくて進化とかして強くなるのかな?と考え
さらに三十分後
*涼宮優香Lv5
三等級
従魔
・メタリンLv3
ユニークスキル
・鑑定Lv5
・創造魔法Lv2
・想像魔法Lv4
・外部魔力使用可能
スキル
・気配察知Lv3
・毒完全耐性
と出た。
一見何が増えたかもわからなかったがよく見たら三等級とついていた。
なんだよ三等級って。星3的なやつか?それならメタリンも星3だぞ。
これをメタリンに共有したら「一緒!」と喜んでいた。
メタリンは癒しだ。しゃべることはできない。けど気持ちがダイレクトにわかる。
わかるか?この何とも言えない幸福感。この子だけは絶対守るって決めた。
今日は最後に一体スライムを倒して寝ることにした。
なんで最後に一体のスライムを倒してからかと言うと、スライムは何等級かみるためだ。
まぁお察しの通り星1の一等級だ。あれ?一等級は一番いいイメージがあるんだけどなぁ?
このスライムが特別なのかと思ったがこれまでのスライムと何ら変わらない個体だった。
そしてオレはこう結論づけた。
数字が高いほうがいいってことにした。
まぁ。今日はこのところで寝るか。
そのまま地面に寝転がり。目を閉じた。
「メタリン、お休み。また明日」
肯定の感情が伝わってきたあと、お休みと言ってくれたような気がした。
そしてオレはうれしくなってほほえみ夢の中に入っていった。
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