出会い

自身の身を捧げた先には黒い世界や白い世界が待っているのかなぁ?と考えていたがいい意味で裏切られた。

今オレの目の前には大きな大自然があった。


「うあぁー!」


前世の俺やオレは都会というには喧騒としているわけでもなく、それならば田舎というのにはそれなりに栄えている。本当に町っていう感じ。


そして今そんな街の様子でも都会に思えるような大自然を見て大きな声で驚愕してしまった。


「すごい!すごい!こんなところあるんだぁ!」


本当にきれいな平原だった。そして興奮が少し落ち着いて周りを見渡した。

そしたら動物もいたが特に目を引く存在がいた。


「あの青いぶよぶよした感じの動くものはもしかしなくてもスライムか!?」


そう、異世界漫画の象徴スライムの特性を持つ生き物が現れたのだ。

それならと思い、ステータスがでるのかと試してみた。

でなかった。

ちくせう

なんでや!アニメとかではステータスとかあるやろ!

とはいっても現実では出るわけではないのであきらめた。

でもこれだけは、これだけは試しておきたい!


「鑑定!」


そしてなんと!出てきたのだ。ステータスが。

なんでやねん。ステータスで出て来いよ


*涼宮優香 Lv1


「あれ?これだけ?」


スキルとか加護とかないの?

もしかしたら鑑定にもレベルとかあるのかも。

そうと決まればレベル上げをするしかないよなぁ


「某竜の依頼みたいにモンスターを倒してレベル上げだぁ!」


さっそくスライムを倒しに行こう!

幼年期の少年でもスライムどころか大槌を持ったやつやちょっと大きい蝙蝠ですら複数体でエンカウントしても倒してるんだ。大丈夫だろう……たぶん。


さっそく単独行動しているスライムと戦闘開始だ。


*スライムLv1


まぁ相手の種族名を勝手に決めつけていたがこれでスライムと確定したのは良いと思っておこう。決して体力とか力が見えてほしいとか思っていないぞ………本当だからな!


さてとは言ったもののどうやって倒すか。

とりあえずサッカーボールくらいの大きさだったため蹴ってみた。

サッカーボールが空気が抜けてぶよぶよしている感覚で少し重たい感じがした。

とはいえ簡単に吹っ飛んでいきぼよんぼよんと音を立てて跳ねて飛んでいき少し転がっていったあと消滅した。


ててててってってってー


冗談だ、こんな音はしていないがもしかしたらということもあるので鑑定してみた。


*涼宮優香Lv1


「まぁ、一体じゃそうだろうな。知ってた」


ゲームだと一番少ない経験値のスライムさんだ。しょうがないね


こんなに簡単に倒せるのなら複数を相手取っても大丈夫だと踏み、三体集合しているところに突進していった。


「とりゃーー!」


三体のスライムたちも先補dのスライム同様の動きを見せ消滅した。


「さぁ!鑑定!」


*涼宮優香Lv2


ユニークスキル

・鑑定

・???

・???

・???


 スキル

・???

・???


あれぇ?普通全部わかるんじゃないの?

もしかしてこのレベルだと使ったことのあるスキルしかわかんないとか?

ふふふ、ならば!もっとレベルをあげるぞ!!


それからオレは時間も忘れレベル上げに勤しんだ。

と言ってもスライムがなかなか見当たらず探し回り倒すこととなったが


「鑑定!!」


*涼宮優香Lv3

ユニークスキル

・鑑定

・創造魔法

・想像魔法

・外部魔力使用可能


スキル

・気配察知

・毒完全耐性


おいおい、なんかチート貰ってねぇか?転生特典ってやつか?神様あったことないけどありがとう。この恩はあったときに返そう。

と胸に刻むのであった。


とはいえ発動条件がわからなかったのでいろいろ試してみた。

マジでスライム探し回るときよりも苦労したし時間かかった。


簡単言うと毒完全耐性はパッシブで発動しているのものだろうと考えたので今回は無視。

気配察知はその名の通り気配を察知するものだ。だがこれがめちゃ優秀なのだ。

範囲は魔力の使用量によって決まり、察知するものはスライムだけにとどまらず野草や木、動物など、果てにはゲートの位置までわかるようだ。

多分これは魔力を帯びているものに反応する仕組みと考えた。


鑑定はこれまで通りレベルに合わせて見えるものが増えていくのだろうと予想している。

そして創造魔法、これはものを作り出す魔法だが、触ったことのある、もしくは鑑定したことのあるものを魔力で生み出すのだろうと結論付けた。

そしてそれを使う魔力は自身のではなくユニークスキルの欄の一番下にあった外部魔力使用可能というスキル。これを使うことによって自分の体内の魔力を使用せずとも魔法の行使が可能になるのだ。

ちなみに検証した結果百円玉が五枚増えました。やったね。


まぁお金は右ポケットに入れ、次に想像魔法だ。マジこれを理解するのに時間かかった。

魔法を使うのには明確なイメージが必要だと思った。アニメや漫画ではそうだったからな、そこで俺は酸素が燃えるようにと明確に:想像:したのだ。でも発動はできなかった。

ここで躓いた。そこから炎がだめなら水を、水もだめなら地面をといろいろしたが無理。

そして自棄になり炎を出すだけを想像してみたらこれが成功。


まぁ簡単に言うと明確に想像するのではなく「ここに炎を出す」くらいの簡単な想像で魔法を行使できるのだ。

その…なんだ、あれだ。チートだ。

それから氷を出したり地面を割れさせたり直したりと遊んだのだ。魔力の心配もないからな


そして気が付けば平原は赤みを帯び始めていた。


「あぁ、楽しい時間はすぐに過ぎるんだなぁ」


と気配察知でゲートの位置を察知して出ることとした。

まぁさっきの決断はまぁあれだ、実際に死んでしまっても言い訳ができるようにとっていたのだ。………………ちょっと苦しいか?


もう!帰るったら帰るの!


とその道中に銀色の塊がいた。そしてそれはスライムの形になっていた。


「ん?なんだあれ?鑑定」


*メタルスライムLv1

ユニークスキル

・装備擬態

・魔法完全耐性


ビックリしたのだ。とても。

まず某竜の依頼では経験値モンスターとして配信者時代お世話になったのだ。

だがもっと驚いたことは


「こいつ、強い」


そう思わざるを得なかった。

だってユニークだよ!いやオレも持ってるけど今までのスライムはユニークどころかスキルすら持ってなかったんだよ。驚くでしょ。


オレはゆっくりゆっくり近づいた。逃げられないように

まぁ五歳のオレにそんな技術など持ち合わせていないので


パキ!


となぜか木の棒がありそれを踏んでしまい音が鳴ってしまったのだ。

だがなぜだろうかメタルスライムは逃げるそぶりを見せない。それどころか戦うそぶりすらも


「おい、お前逃げないのか?」


今思えばここは確実に失態になりえただろう。相手がまだ気づいていないのかもしれなかったし、注意をひいてしまい攻撃の的になりえたのだ


だがメタルスラムは逃げない。逃げるところか体を球体にしころころとオレに近づいてきた。

攻撃されると思い身構えた。

メタルスライムはオレの右足にコツコツと(地味に痛い)ぶつかってくる。



「なんだお前?」


それでも右足にコツコツとぶつかってくる。

何か欲しいのかと聞くとぶつかってこなくなった。なんだ?何が欲しいんだ?と考えていtら右ポケットに百円玉を入れていたのを思い出した。


「お前これが欲しいのか?」


メタルスライムは体を球の状態から器の状態になった。

入れろってことか?まぁお金はまた作れるし大丈夫だろうと思い、オレの全財産である作った百円玉五枚ともともと持っていた三枚を器の形をしたメタルスライムにあげた

そしてそれらはメタルスライムに吸収された。


こいつめっちゃ嬉しそうにしてんじゃん。かわいいやつ。


と違和感を感じぬまま時間がやばいことに気づきダッシュでゲートのほうに行き


「じゃあまたなぁ!」


とメタルスライムに手を振りゲートから出て行った。


「あいつ、かわいかったな………そうだこっちでも鑑定できるか試してみよう。鑑定」


*涼宮優香Lv3

従魔

・メタルスライムLv1


ユニークスキル

………………


え?

鑑定は使えた。それは良い。だがそんなことを差し置いて気になることがあった。

なんであいつ従魔になってんだ?


と考えていたら。ゲートからそいつが出てきた。


「おいなんでお前がここにいるんだ!」


メタルスライムは「なんでって駄目なの?」みたいな感じで見てきた。


「ダメもどうもこうもないよ!いい?こっちは君みたいなのがいたら実験とかいろいろ他の人にひどい子とされるよ。」


メタルスライムは怖がっていた。


てか今気づいた。なんでオレこいつの考えていることわかるんだ?

もしかして!?


「お前俺の従魔になりたかったのか?」


メタルスライムはぴょんぴょんと(数ミリ)跳ね「うん!」と言っているかのようだった。


こいつめちゃくちゃかわいいぞ。


即落ちだった


「そっかーありがとうな!じゃあお前はメタリンだ!どうだ?」


メタルスライムもといメタリンは喜んでいた


「あっはは、かわいい。でもお外は危険だからここか向こう側のゲートの前で待ってなさい。明日にも行くから。ね?」


メタリンは「わかったー」とでもいうようにゲートに入っていった

そしてメタリンから「またねー」とでもいうような感情が伝わった。


「おう!また明日なー」


そしてオレはメタリンと別れ帰宅したのであった。













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