プレハブ小屋

「はじめまして! 今回、中学校で勤務するのは初めてになります。みなさんとの出逢いを楽しみにしながら、ついに本日を迎えることができました。ヨロシクお願いします☆」


なんて、だだっ広い体育館で、舞台でマイクを使って話すとは(笑)


何年ぶりだろう。500名以上を目の前に話すことになろうとは、人生はやはり面白い。

何が起きるのかわからない。

ほんの少し、エイッと勇気を出してみたら、何かを起こせてしまう可能性か満ちている。


たくさんの顔が一斉に向けられ、わたしを見つめている。

あの「居場所」にやって来る子どもたちは少なからずか、はたまた大勢か。


この体育館にあの場所を求めて、必ずやってくる子がいる。と思いながら、舞台からたくさんの顔を見つめ返した。


安心しておいで。

待ってるよ。

君たちと一緒に笑って、過ごすためにやってきたんだ。


赴任式も終わった。

これから1日を過ごしていく場所へ事務長が機敏に、足取りも早く、

「ここです、中条先生」と案内してくれた。


その場所はなんとまあ不思議な場所で。

学校の本館から少し離れて建てられていて、うっそうと茂る森の入口にあった。


古びたプレハブ小屋がそこにあった。

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