おかえりなさい。の居場所
華蓮ひかり
弥生の頃
赴任式
一度やってみたら、何だかクセになって続けてしまう職業。
それが教員。らしい。
昔、お世話になった先輩教諭が言っていた名言だ。
朝は早く、7時過ぎには学校へ。
勤務中はそれはそれは、目まぐるしい忙しさで毎日が全力疾走。
全力すぎると何事にも持たないよねということで、長いマラソンをしている気持ちで。なんて話す人もいる。
いやいやいや(笑)
その発想もどうなんですかとお互いに笑いながら何とかやり過ごしている。
けれども授業をするだけでなく、様々な家庭環境で育った子どもの見守りや支援。人間関係、日々の疲れが溜まりすぎると、ある日突然バリバリバリと割れ始める。
この割れ目はもう手の施しようがなく、こうなってしまった時には、既に心も身体も取り戻せなくなる。
しばらく現場から離れて休む。。
そして、またしばらくすると
不思議と学校へと戻りたくなるらしい。
え〜そんなことある?(笑)
と半信半疑に聴いていたけど。。
それは本当にそうだったようで。
わたしもその一人になったようだ。
次はどんな出逢いが待っているのだろうか。
新しい場所でどんな人達に、子どもたちに出逢うのだろうか。そして、どんな時間を共に重ねていけるのだろうか。
そんなことを思いながら、4月の暖かい日差しに照らされた体育館の広い天井を見ていた。
赴任式がいよいよ始まる。
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