第14話 はい、俺の勝ち

「買えたか?」

「バッチリだ!」

 未踏に問われ、俺は笑みを浮かべつつ今買ったカードをスリーブにしまう。

「それじゃ、俺のデッキ並べるな。」

「オッケー、お前のデッキコンセプト、好きだぜ。」

「そいつぁ有難い言葉だ。それじゃ、それに続けて俺のデッキの評価頼むわ。」

「おう。

 まずなぁ、ファミリアもトラップも完璧だ。今のままでいい。だからスペルを変えるべきだ。」

「スペルか………今入ってるのはこれだな。」

 そうやって見せてきたのは、最低限のファミリア除去のみ。

「やっぱり、言わせてもらうが除去は大体トラップだけにしておけ。そこでおすすめなのが、こいつだ。」

 俺はショーケースにある一枚を指差す。

「"光の速度"?コスト三で、手札を一枚捨てる。その後、山札から一枚を表向きにして、そうして捨てたカードよりコストが低ければ使うことが出来る、か、なかなかいいな。」

「そして、もう一つ。」

「"先読みの眼"、コスト二で山札の上から六枚見て、好きな順に戻す……これって!」

「あぁ、五ターン目に光の速度でサブロー・シュタルトが出せれば?」

「先読みの眼で仕込んでおいたカードを確実に使える!」

「そういうこった。」

「これはいいな!なら、トラップもサブロー・シュタルトよりコストが高いカードに代えておくか。」

「そうだな。」

 未踏も満足したようで、即座に二枚のカードを買っていた。



「よし!やるぞ!」

「良いぜ!」

「「ビートを刻め!!」」


ハシラ一ターン目

「エレメントセット。ダンブルウィードをクリエート、ターンエンドだ。」



レイキ一ターン目

「ドロー、エレメント。浮遊する魂をクリエート、ターンエンド。」



ハシラ二ターン目

「ドロー、エレメントセット。砂漠の花・メイネをクリエート。ターンエンド。」



レイキ二ターン目

「ドロー、エレメント。影踏・トビマルをクリエート、トラップセットでターンエンドだ。」



ハシラ三ターン目

「メンドクセーやつ出しやがって。ドロー、エレメントセット。」

「ふ、乗り越えてくれよ?」

「言ってろ!トラップをセットしてターンエンドだ。」



レイキ三ターン目

「ドロー、エレメント。デクレイション、怨嗟の叫び声。山札の上からカードを二枚セメタリーに置き、ファミリアを一枚手札に加える。」

「その時、トラップ発動!必中ショット!邪魔なトビマルを破壊だ!」

「無念………」

「…ターンエンドだ。」

 やるじゃねぇか。



ハシラ四ターン目

「ドロー、エレメントセット。放浪の導き手・ワオーネ"をクリエート。山札から一番上を見て、それがトラベラーを持つカードであれば手札に加える。

 へへターンエンドだ。」



レイキ四ターン目

「ドロー、エレメント。使わせてもらうぜ?見果てぬ闇・ハッピースマイリーをクリエート!」

「うっふふふふふ………次はあなた?」

「登場時、相手と自分は手札が五枚になるようにカードをドローする。自分が三枚ドローした時、手札から種族レイスのファミリアをタダでクリエートしてもよい、そして相手が三枚ドローした時、自分の山札の上から三枚エレメントに置いてもよい。」

「グググ………」

 俺とハシラは手札が五枚となった。

「おいおい、リソースが増えたことを喜べよ。」

「素直に喜べねぇよ!」

 これにより、俺は山札から三枚をエレメントに置き、手札からファミリアをただ出し出来る。

「ハッピースマイリーの効果で、エスケイプレイス・シャイガールをクリエート!

 更に、コスト三でバット・バードをクリエート。

 ターンエンドだ。」



ハシラ五ターン目

「ドロー、エレメントセット。ハッハッハッ!やっぱり喜んでやるよ!」

「へぇ?」

「デクレイション!先読みの眼!山札から六枚見て好きなように代え、デクレイション!光の速度!」

 ハシラはコスト八のカードを捨てた。

「山札の上は、七!それによりそのカードを使用出来る!道半ば サブロー・シュタルト"をクリエート!登場時効果で、山札の上から五枚見て、その中のトラベラーを持つカードを二枚選んで使える!」

 早速、俺の提案コンボを使いこなしてるな……

「俺はガンマスター・マジールとフェイクシューター・サボーマンをクリエート!マジールの効果でシャイガールを破壊!」

「aaa…」

 !初めてシャイガールの声を聞いたぞ!?これはすごい進歩だ!

「ワオーネで攻撃!」

「ライフ」

レイキライフ六→五

「ターンエンドだ。」



レイキ五ターン目

「ドロー、エレメント。落武者ウエモンとタマヒメをクリエート。トラップをセットしてターンエンドだ。」



ハシラ六ターン目

「ドロー、エレメントセット。突進・モーくんをクリエート!」

「もおぉぉぉ!」

「まずはモーくんで攻撃、その時効果発動。相手のファミリアとライフを同時に攻撃できる!」

「なに!?チッ、タマヒメとライフ!」

レイキライフ五→四

「サブロー・シュタルトで攻撃!」

「トラップ発動!慢心の落とし穴!ワオーネとメイネを破壊!」

「きゃうん!」

「さらさら~……」

「でもサブローは止められないぞ!」

「ライフ。」

レイキライフ四→三

「マジールで攻撃!」

「トラップ!慢心の落とし穴!」

「またかよ!?」

「マジールとサボーマンを破壊!」

「しくじった!」

「俺の潜伏がバレるとは………」

「ダンブルウィード……はいい。ターンエンドだ。」



レイキ六ターン目

「ドローエレメント。浮遊する魂を全てを飲み込む者・ハーデンこんにゃくに進化だ!効果で相手のファミリアを強制アクション状態に!」

「なに!?」

「ウエモンで攻撃時、手札を一枚破壊!」

「ライフ」

ハシラ六→五

「ハーデンこんにゃく、バット・バード、ハッピースマイリーでファミリアを攻撃!」

「くっ!」

 ハーデンこんにゃくでサブローを破壊、ハッピースマイリーでモーくんと相討ち、バット・バードでダンブルウィードを破壊。

「ターンエンドだ。」



ハシラ七ターン目

「ドロー、エレメントセット。………ワオーネをクリエートして山札の上を手札に追加。

 一か八か!光の速度!」

 捨てたのはコスト五のカード。そして上は……

「六かぁぁぁ!!!」

「残念だったな。」

「ターンエンド………」



レイキ七ターン目

「ドロー、エレメント。……悪いな、ハシラ。」

「は?」

「カッターガールを二体クリエート。」

「あっはは!私が二人ー!」

「面白~!やっぱ私いけてるぅ!」

「「いえぇぇぇ!」」

 カッターガール……意外と人生楽しそうだな。

「………いち、に、さん、し……ご!?」

「そ、だから、トドメっと。」

「またお前かよぉ!」

ハシラライフ五→0


 ふふふ、新カード回の負け犬から脱したぜ!

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