第10話 沸き起こる感情

 遂に準決勝。気になる相手はぁ~~土宇陀である。

 ま、まぁとりあえずベスト4は確定だ。それに、デッキも完璧だ。あわよくば勝てる……かもしれない。

 

 名前を呼ばれ、バトル台に登る。肝心の対戦相手は、俺なんか眼中に無いようだ。

 ハァー、自信に満ち溢れてて羨ましい限りだよ。

 


『それでは準決勝、開始です!』


「「ビートを刻め!」」



ガンヤ一ターン目

「エレメントにカードを、守・フィンガーをクリエート。ターンエンドだ。」



レイキ一ターン目

「ドロー、エレメント。浮遊する魂をクリエート。

 ターンエンド。」



ガンヤ二ターン目

「俺のターンドロー、エレメントにカードを。守・レッグをクリエート。

 ターンエンドだ。」



レイキ二ターン目

「ドロー、エレメント。デクレイション、掘り出しスコップ。山札の上から五枚を見て一枚を手札に。トラップを設置して、ターンエンド。」

 まさかここまで手札が事故るとは………



ガンヤ三ターン目

「俺のターンドロー、エレメントにカードを。攻・レッグをクリエート。

 ターンエンドだ。」



レイキ三ターン目

「ドロー、エレメント。バット・バードをクリエート。」

「…クールに行くぜ。」

 フゥー…これで軌道修正出来そうだな。

「ターンエンド。」



ガンヤ四ターン目

「俺のターンドロー、エレメントにカードを。コスト四でデクレイション。"高貴なる光"!

 自分の山札の上から五枚をセメタリーに置くことで、相手のディフェンス値が二千以下のファミリアを破壊。バット・バードを破壊だ!」

「ピィ!?」

「これによって破壊されたファミリアのコスト分だけ俺はドロー!」

 痛いな……また組み立て直しだ。それにあいつは次のターンに古代の歩みを使ってくる。

 どうするべきか………

「攻・レッグで攻撃!」

「…ライフ。」

レイキライフ六→五

「ターンエンドだ。」



レイキ四ターン目

「ドロー、エレメント。」

 ここは………賭けるか!

「落武者ウエモンをクリエート。効果で手札を一枚破壊!」

 さぁどうなる!?

「くらえぇぇい!」

「……フッ、残念だったな。」

 ランダムに選択され、土宇陀がセメタリーに置いたカードは、ブレインコア。俺の賭けは失敗したようだ。

「ターンエンド。」



ガンヤ五ターン目

「俺のターンドロー、エレメントにカードを。コスト五でデクレイション、"古代の歩み"!」

 あぁ…やっぱり、来てしまったか。

「セメタリーにあるパーツを持つカードを三枚山札の一番下へ。こうして三枚置くことができれば、手札から完全体を持つカードをクリエート出来る!」

 途轍もない地響きが起こり、目の前に光沢すら見れる岩が姿を見せた。

「手札から、不死身の岩身・コラープスをクリエート!」

「Graaaaaaaaa!!!」

「登場時効果で相手のトラップを一つ破壊!

 そして攻・レッグで攻撃!」

「ライフ。」

レイキライフ五→四

「ターンエンドだ。」



レイキ五ターン目

「ドロー、エレメント。」

 コラープスは仕方ない。だが、吸収を使われたら終わり……だがらここは!

「宵を生きるもの・首吊り男をクリエート!」

 妨害一択!さっき引いたシャイガールをエレメントに置いたから、また機嫌を損ねてしまうだろうが、それでもこの試合、負けたくはない。

「ウエモンで攻撃。」

「ライフだ。」

ガンヤライフ六→五

「首吊り男の能力発動。自分のファミリアが攻撃終了後に場にいれば、そのファミリアを破壊して、セメタリーから破壊したファミリアを再度クリエートする。」

「ハッハッハ!くらえぇぇい!」

「チッ!」

「ターンエンド。」

 ここから巻き返せれば良いが………



ガンヤ六ターン目

「俺のターンドロー、エレメントにカードを。

 トラップを設置して……コラープスで攻撃!」

「ライフ。」

レイキライフ四→三

 なんだ?何を考えて……そうか、あれが吸収のカードか!今俺の場にはプロテクト出来るファミリアが二体いる。それで使わなかったんだな?

「攻・レッグで攻撃!」

「…ライフ。」

レイキライフ三→二

「ターンエンド。」

 けど、このままだと負けだ。どうする……?



レイキ六ターン目

「ドロー、エレメント。

 コスト六でデクレイション、慢心の落とし穴。守・フィンガーと攻・レッグを破壊。

 トラップを設置して、ウエモンで攻撃。」

「ライフ。」

ガンヤライフ五→四

「また首吊り男の能力発動。手札破壊!」

「ソイヤァ!」

 よし!あとは、首吊り男で攻撃するべきか?だな。ほぼほぼ、あのトラップは吸収だと思う。だがそれ以外の場合、かなりまずい。特に除去系。

 ただ……この手数にこの手札。次のターンでも止めをさせるかは微妙だ。………ならば、少しでもライフを減らすべき!

「首吊り男で攻撃!」

「ライフ。」

ガンヤライフ四→三

 あとは次のターンに……

「トラップ発動!」

 何!?

「"落石"!相手のパワー三千以下のファミリアを全て破壊!」

 クソ!やられた!

 これで、俺のフィールドはゼロ…か。

「ターン…エンド……」





 そこから先は語る意味もない。

 俺は……負けた。

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