第8話 順調な滑り出し

 二回戦も順調に勝ち、これから三回戦だ。

 俺はバトル台へと向かう。

「よぉ、狭間。ここでお前を倒せば俺も三強入りってな。」

「させねーさ。」

 クラスメートではあるが、話したことはない未踏柱が話しかけてきた。

「俺のデッキ、是非味わってくれ。」

「折角だから食らい付くしてやるよ。」


『それでは第三戦、開始です!』

 アナウンスが入る。

「「ビートを刻め!!」」


ハシラ一ターン目

「エレメントセット、"ダンブルウィード"をクリエート。

 ターンエンドだ。」

 なんかかっこいいけど、ただの転がる草なんよなぁ。


レイキ一ターン目

「ドローエレメント。ターンエンドだ。」

「おや?今日はいつもの子は出ないのかい?」

 煽るなぁ。教室でも授業でもこんな性格ではなかったはずだが。やる気によってテンションも変わるタイプかね。

「こういう日もあるさ。」

 

ハシラ二ターン目

「ドロー、エレメントセット。

 ダンブルウィードで攻撃!」

「ライフ。」

レイキライフ六→五

「三強ってのはこんなもんか?ターンエンドだ。」


レイキ二ターン目

「ドローエレメント。"荒ぶる者・ロウ"をクリエート。」

「誰がァ?誰がァ…俺をォォォ!」

 なんか通り魔に刺されて復讐中らしいよ。

「うわ!グロッ!」

「あ……」

 その瞬間、ロウが未踏を敵と認識した。

「ひ!」

「…ターンエンド。」


ハシラ三ターン目

「ドロー、エレメントセット。

 "放浪の導き手・ワオーネ"をクリエート。」

 柴犬?……の亜種かな。

「山札から一番上を見て、それがトラベラーを持つカードであれば手札に加える。」

 補充されたか。

「トラップを設置してターンエンド。」


レイキ三ターン目

「ドローエレメント。

 "墓荒らしのマーチ"をクリエート。」

「ザァクザァーク!」

「ロウで攻撃、その時能力により俺の手札を一枚捨てる。そうすることで相手の手札を選んで捨てさせる。」

「くらいな!」

「くっ!ライフ!」

ハシラライフ六→五

「さらにマーチの効果で、相手が手札を捨てた時、一枚ドロー出来る。」

「お宝じゃー!」

「ターンエンド。」


ハシラ四ターン目

「ドロー、エレメントセット。

 "旅人・サブロー"をクリエート。登場時効果で山札の上から四枚を見て、トラベラーを持つカードを一枚手札に加える。

 そして、場にワオーネがいればこのカードは即行動出来る!サブローでロウを攻撃!」

「マーチでプロテクト!」

 これによりマーチは破壊。

「ワオーネで攻撃!」

「ライフ。」

 レイキライフ五→四

「ターンエンドだ。」


レイキ四ターン目

「ドローエレメント。

 団結する集団無意識をクリエート。

 ロウでワオーネを攻撃、の時に能力発動!」

 お互いに手札を一枚捨てる。ここでリソースを減らすのはキツイが、未踏のサーチしたカードを捨てさせられたのは大きい。

「ダンブルウィードでプロテクト!」

 これでダンブルウィードが代わりに破壊。

「ターンエンド。」


ハシラ五ターン目

「ドロー……エレメントセット。

 サブローで攻撃!」

「ライフ。」

レイキライフ四→三

「ターンエンド……」

 勢いが無くなってきたな。


レイキ五ターン目

「ドローエレメント。

 エスケイプレイス・シャイガールをクリエート!」

 ド派手な演出と共に、白いモヤが現れた。前より輪郭は見えているが、人型とは程遠い。

「ふん!パートナーと言ってもその程度か!」

 こいつ煽ることしか出来ないのか?

「トラップを設置してターンエンド。」


ハシラ六ターン目

「ドロー………エレメントセット。

 ……えぇい!サブローとワオーネで攻撃だ!」

 自棄になったか………

「ライフ。」

「な!?…………ふは!ホントに良いのかぁ?」

「あぁ、構わない。」

 レイキライフ三→一

「バカだろ!お前!」

 なんだ?ただ手札補充しただけなのに。

「ターンエンドだ!」


レイキ六ターン目

「ドローエレメント。トラップを設置して"群がる者・シデムシ"をクリエート。」

 シデムシ、詳しくは各自で調べて欲しいが、一言で言えば腐肉を食べる虫だ。

「ここでトラップ、"強者の進軍"。山札の上から三枚をセメタリーに置くことで、対象を即行動出来るようにさせる。もちろんシデムシだ!」

「チッ!気色悪ぃのばっか使いやがって!」

「悪い悪い、おっとシデムシの登場時効果でセメタリーにあるファミリアをこのカードの下に置く。五枚のファミリアを下へ。

 このカードが破壊される時、下にあるカードを代わりに手札に加えられる。」

「な……んだと………!」

「シデムシとシャイガールでお前のファミリアを全て破壊!」

「ふ!見くびるなよ!トラップ発動!」

「甘いのはそっちさ。俺もトラップ発動だ。"牙城崩し"。相手がトラップを発動した時に使える。お前のトラップを無効化だ!」

「ナニィィ!!」

 そして、未踏のバトルフィールドには何もいなくなった。

「集団無意識で攻撃。その時能力を使用し、シャイガールの持つ能力を味方のファミリア全てに授ける。」

「ライフ。」

 ハシラライフ五→四

「ターンエンド。」


ハシラ七ターン目

「ドロー、エレメントセット。

 ふふ!見せてやる!コスト七を支払って、"道半ば サブロー・シュタルト"をクリエート!」

 さっきのサブローとは違い、初々しい顔付きからかなり精悍な顔付きになっている。

「登場時効果で、山札の上から五枚見て、その中のトラベラーを持つカードを二枚選んで使える!」

 マジか。

「"砂漠の花・メイネ"と"ガンマスター・マジール"をクリエート!マジールの効果で相手のカードを破壊!」

「残念、能力を授けられた事で、破壊は不可能だ。」

「チッ!小賢しいな!

 ターンエンド、次のターンお前は終わりだ!」


レイキ七ターン目

「ドローエレメント。

 カッターガールをクリエート。」

「イッヒヒー!」

「こいつは元々即行動が出来る。つまり……?」

「つまり……………っ!」

「全員で攻撃!」

「ぐわぁ!!」

 ハシラライフ四→ゼロ


 そういや、結局強そうな雰囲気出してたけど雑魚だったな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る