1941年 海軍主力艦
浅間型戦艦
同型艦二隻(浅間、筑波)
全長254m
水線長249m
全幅34.4m
基準排水量37600t
満水時排水量41045t
機関
艦本式ロ号ボイラー8基(12万馬力)
艦本式タービン4基
4軸可変式推進機
500kWタービン発電機4基
250kWディーゼル発電機3基
搭載燃料
重油4600t
速力
巡航16ノット/10560海里
最大戦速31ノット
兵装
九一式50口径41センチ連装砲二基、同三連装砲二基
八九式45口径12.7センチ連装高角砲六基
九二式三十七粍連装機関砲六基
九六式二十五粍三連装機関銃八基、同連装機銃四基、同単装機銃六基
装甲
甲板部水平装甲
中甲板防御水平部NVNC200mm、舷側20度傾斜部NVNC210mm
弾薬庫上部VC100mm+NVNC50mm
機関室上部VC80mm+NVNC50mm
舷側垂直装甲
水線部VC320mm、(傾斜20度)下端部VC310mm
弾薬庫舷側VC120mm+DS40mm
機関室舷側60mm+VC20mm
水中防御区画
舷側魚雷防御上端105mm下端80mm(傾斜10度)
砲塔前盾 450mmVC
バーベット 413mmVC
砲塔天蓋 NVNC229mm
司令塔NVNC480mm
艦載機
呉式2号カタパルト二基
水上偵察機二機
日本海軍がロンドン軍縮条約の時に建造を許可された金剛代艦。
当初予定では四隻の建造が行われる予定であったが、③計画の変更により二艦のみの建造となった。
建造にあたってはロンドン軍縮条約よりも前から計画が進められており七つの計画案から最終的に平賀技術中将の案をベースにすることが決定された。
ただし本来の既定排水量は三万五千トンと定められていたが十分な防御と攻撃力を持たせるためには四万トンに迫る排水量が必要であり建造当初から条約違反を容認せざるおえなかった。
船体は長船首楼閣となっておりシアのない直線的な船体になっている。
また扶桑からの伝統である集中防御を採用し、艦首並びに艦尾、そして上甲板までもが非装甲になっている。
バイタルパートより上には上、中、下の三甲板があるが基本的に装甲は中甲板に張られており上甲板から上は非装甲という徹底ぶりであった。
その代わりに防御力は強靱であり対16インチ防御においては十分であった。
バイタルパートの長さを抑えるために主砲も工夫されている。
従来と変わり新たに三連装砲を開発し一番、四番砲に搭載している。これは改装した扶桑型や長門型と同じ砲ではあるが、上下作動式の砲尾になった改良型であり同艦の連装砲や改装後の陸奥の主砲としても運用されている。
日本海軍では唯一、連装砲と三連装砲を混載した艦となったが、運用上特段の問題もなく不満などは見受けられなかった。
艦橋は日本海軍としては初の密閉式塔型艦橋で、イギリスの箱型を手本としながらも内部は三脚が入り艦橋を支える独自の方法となっている。
艦橋と傾斜した煙突の合間にマストを設置しており煙突後方は後部艦橋が三番砲と煙突の合間に設けられていた。
また金剛代艦であることから速力も求められており最終的にはバルジの増設などを含めて四万トンを超える戦艦となった。
大和型戦艦
同型艦一隻(大和)
全長269m
水線長263m
全幅39m
基準排水量68500t
満水時排水量76100t
機関
艦本式ロ号ボイラー12基(18万馬力)
艦本式タービン4基
4軸可変推進機
搭載燃料
重油5100t
速力
16ノット/11030海里
最大戦速28ノット
兵装
九四式45口径46センチ三連装砲四基
九六式60口径十糎連装高角砲一二基
九二式三十七粍連装機関砲一〇基
九六式二十五粍三連装機関銃四〇基、同単装機銃二〇基
装甲
甲板部水平装甲
中甲板防御水平部MNC220mm、舷側20度傾斜部MNC210mm+上甲板CNC50mm
弾薬庫上部MNC230mm+CNC50mm
機関室上部MNC210mm
舷側垂直装甲
水線部MNC350mm、(傾斜15度)下端部MNC320mm
弾薬庫舷側CNC120mm+VH40mm
機関室舷側VH60mm
水中防御区画
舷側魚雷防御上端CNC90mm下端80mm(傾斜10度)
砲塔前盾 VH620mm
バーベット VH463mm
砲塔天蓋 VH275mm
司令塔VH650mm
艦載機
呉式2号カタパルト二基
世界最大最強の名を持つ日本海軍が心血を注いで建造した巨大戦艦。
当初③計画では二隻、続く④計画で二隻と合計で四隻の建造が予定されていた。
しかし米海軍がほぼ同規模の戦艦を建造中であるという情報から設計段階で規模を拡大。予算の都合から③計画で一隻のみの建造となった。
後にこの情報は誤報であると分かるがその時には建造が始まっており再度の見直しは不可能であった。
本艦の建造は先に建造された浅間型戦艦と条約時代も建造を継続していた重巡洋艦の建造思想を参考にしており内部構造や重量削減の方式など至る所に重巡洋艦の設計思想が見て取れ、良い点も悪い点も引き継いでいると言われている。最もそれは浅間型戦艦にも言えることであり日本戦艦のたどり着いた一つの答えであると言える。
船体の構造などは浅間型を拡大、発展した形によく似ている。
ただし46センチ砲という類を見ない巨砲を搭載するために外見的には大きく異なる。
浅間では艦中央部分から一段下がる長船首楼型だったが大和ではほぼ平甲板とされ、艦尾のカタパルトやクレーンがあるところでようやく一段下がる形になっている。
竜骨下端から最上甲板舷側までの深さは18.965m。10層の階層となっており構造は上から最上甲板、上甲板、中甲板、下甲板、最下甲板、第一船倉甲板、第二船倉甲板、船倉甲板、艦底となっている。
艦橋は浅間で採用された完全閉鎖型の塔型とされたが、浅間型よりも洗練された構造となっている。前側面部が数箇所えぐられた形状になっているのは、浅間型で問題になった射撃指揮装置や対空火器の視野を広くとるためである。
施工に際してはブロック工法が採用され、何分割かされたものを陸上で作り、艤装時に接合した。
艦橋は中甲板から13階、露天甲板から10階建てである。
本来は46センチ三連装砲を三基の計画であったが主砲一基を追加し火力増大を図るために造船所の性能を極限まで使用し船体を延長。それでも足りないことから副砲として搭載予定であった15.5センチ砲の搭載を取りやめようやく収めた経緯がある。
その代わりに左右には新開発の高角砲である九六式十糎高角砲が搭載されている。その全てが砲塔型になっており砲架に比べて高い連射速度を持っていた。また砲塔上部や艦中央に設けられた無数の対空銃座によってまるでハリネズミと言った印象を受ける。
装甲は対46センチ砲防御を目指し引き続き集中防御となっているが艦首のみ別でCNC50mm装甲が張られている。これは小口径砲弾や破片被害を防ぐために計画変更の際に追加されたものである。
また特筆する点として艦載機の運用能力の高さが挙げられる。
カタパルトこそ二基のみであるが、クレーンを使い艦内格納庫に六機の水偵を搭載可能であり飛行甲板に露天駐機させると最大で一二機を搭載できる。
大和だけでも水上機母艦並の運用能力を持っている。
翔鶴型航空母艦
同型艦四隻(翔鶴、瑞鶴、龍鶴、神鶴)
全長263m
水線長258m
全幅30m
基準排水量26450t
満水時排水量33020t
機関
艦本式ロ号ボイラー12基(18万馬力)
艦本式タービン4基
燃料
重油4980t
速力
16ノット/10630海里
最大戦速33ノット
兵装
九六式60口径十糎連装高角砲八基
九二式三十七粍連装機関砲八基
九六式二十五粍三連装機関銃一二基、同単装機銃八基
装甲
機関室舷側 CNC46mm
機関室上部甲板 CNC65mm+DS25mm
弾火薬庫舷側NVNC165mm
弾火薬庫上部甲板NVNC132mm+DS25mmDS
飛行甲板NVNC40mm+DS25mm
艦載機
各空母飛行隊
零式艦上戦闘機18機+補用2機
九七式艦上攻撃機30機+補用5機
九九式艦上爆撃機27機+補用3機
海軍③計画にて建造された最新鋭航空母艦。
日本海軍は小型から大型までいくつもの空母を建造しその運用実績を集めてきた。
その一つの答えとして艦載機が大型化するにつれて小型、中型空母では運用が難しくなってくるという点に着目した。
特に初期に建造した鳳翔や龍驤のような小型空母ではより大型化した九七式艦攻などは甲板の有効長が短く、格納庫も手狭になる事から僅かしか運用できない問題があった。
それは将来を見据えてより大型の船体を空母が必要とする事を如実に表していた。
そこで日本海軍は条約明けの③計画で建造する空母を一隻あたり三万トン台の大型空母とすることで早いうちから決定していた。それが翔鶴型航空母艦である。
設計は蒼龍型航空母艦を三万トン台まで大型化したような形状であるが、艦橋は前後に伸ばされ司令部用の設備を設けている。
また翔鶴では上段第一格納庫は左右をシャッターにし開閉可能なようにする開放型格納庫を持っている。
また飛行甲板も全長ギリギリまで伸ばされている他、就役までに完成が間に合わなかった油圧式カタパルトの装備を後日装備として行うために甲板のカタパルト取り付け位置を鉄板で塞いでいる。
しかし飛行甲板の防御は破片や機銃弾の防御程度にとどまったため爆弾の直撃を防ぐことはできず従来の空母と同じく被弾に脆弱であった。
そのため翔鶴型をイギリスのイラストリアス級にならって装甲甲板化させたG15、G16計画艦が翔鶴型設計の段階で検討されていた。
当初は③計画だけでは二隻の建造であったが、計画変更により四隻同時の建造となり対イギリス戦が開戦した時点で四隻とも十分な錬成を終えて艦隊に編入されていた。
蔵王型重巡洋艦
同型艦四隻(蔵王、生駒、白根、鞍馬)
全長208.4m
水線長200.1m
全幅21m
基準排水量10350t
満水時排水量12302t
機関
艦本式ロ号空気予熱器付ボイラー八基(13万馬力)
艦本式タービン4基
250kwディーゼル発電機四基
四軸可変推進機
燃料
重油2450t
速力
16ノット/6200海里
最大戦速34ノット
兵装
三年式二号50口径20.3センチ連装砲五基
九六式60口径十糎式連装高角砲六基
九二式三十七粍連装機関砲四基
九六式二十五粍三連装機関銃八基
装甲
甲板部水平装甲
中甲板防御水平部MNC38mm、舷側10度傾斜部MNC25mm
弾薬庫上部VH47mm
機関室上部VH25mm
舷側垂直装甲
水線部MNC118mm、(傾斜15度)
弾薬庫舷側MNC78mm
機関室舷側VH50mm
砲塔前盾 VH25mm
バーベット VH47mm
砲塔天蓋 VH30mm
艦載機
呉式2号カタパルト二基
水上機三機
③計画にて建造された条約開けの大型重巡洋艦。
しかし設計から建造までの時間がないため本来ロンドン軍縮条約で建造が諦められた改高雄型重巡洋艦を手直しして建造したものであるため関係者の合間では改高雄型と呼ばれている。
重巡洋艦でありながら雷装を廃した初の艦でもあり、海軍の戦略思想の変貌を表している。
船体は高雄型を前後に8mほど延長した構造となっているが雷装を搭載しないため舷側に開口部がなくすっきりしたイメージを持っている。
しかし防御性能は高雄型を純粋に発展させた形となっており各部装甲厚の増大が測られている。
ただし艦橋は大型化した高雄型と違い妙高型や最上型のように小型化、最適化されている。
兵装は引き続き20.3センチ砲であるが、旋回速度と装填速度が向上しており投射火力の面では高雄型を上回っている。
また雷装を廃した代わりに防空火力が大幅に強化されており、対空射撃指揮装置の数と合わせて防空巡洋艦と呼ばれることもある。
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