ミスミソウ


「ミスミソウ」はゲーム系ラブコメ「ハイスコアガール」や妖怪ホラーギャグ漫画「でろでろ」等でも有名な押切蓮介おしきりれんすけ先生の描いた猟奇サスペンス精神破壊メンチサイドホラー漫画です。2018年にR15指定で実写映画化もされました。紹介するのは実写映画の方です。実写版「ゴールデンカムイ」のアシリパさん役でも有名な山田杏奈やまだあんなさんの初主演作でもあります。


 漫画も実写もどっちも見ましたが、とてもエグい作品ですね。東京から雪国に転校してきた中学生の主人公春花への悪化し続ける壮絶なイジメを知った家族の協力から卒業までの二ヶ月間を登校拒否で乗り切ろうとした矢先にイジメ集団の起こした倫理を超えてありえない行動から家族を丸ごと失ってしまうという衝撃的な始まりをするのが本作の始まりです。一瞬ネタバレになるかなとも思ったんですが、これ以上の衝撃が待っています。正直、中学生がやるとは思えないイジメの果てのエグさと復讐劇が心を抉ってきます。


 実写映画は映像になる事によってこのエグさが更に増して襲ってきてヤメてくれとなりますね。復讐劇も漫画だと実行犯のイジメ加害者共はそれほどのビジュアルでも無いんですけど、雪景色に映えるような綺麗めな女優さん(今はこれ差別用語になるらしいけど女優さんという言葉には何か力を感じるのでこのまま女優さんと言いたい)が演じて甲高い悲鳴上げまくって殺されてゆくので悲壮感が凄まじい。イジメ加害者の大半は自業自得な最後を迎えるわけなんですけど、イジメっ子にも家族がいるわけなんですよねぇ。いろんな形ではあるけど家族がね。子を持つ親御さんにはキツいところもあるかも知れませんね。


 まぁ、それはそれとしてイジメ加害者共のクソっぷりは凄まじいわけなんですけど。春花の復讐シーンも特殊メイクや小道具を使ってまぁキツいキツい。とあるシーンでは人間の身体てこんなだっけて思いましたもん。雪国特有のものでの死亡するシーンもありましたけど、ここも人間てこんな一瞬で真っ赤に消えるのてなりましたね。


 イジメのきっかけとか、終盤の衝撃とか予想外が襲ってくるやるせなくて救われない作品ですけど、最後まで観てしまう。個人的には亡くなられた寺田農てらだみのりさん(ラピュタのムスカ、仮面ライダーWのテラードーパント等を演じた大御所)おじいさんのやりきれない静かな演技が凄かったです。あんなに傷つく寺田農さんは観たことないかも。


結末は漫画とは若干違うので、漫画を読んだ方も一瞬「あれ?」てなると思います。

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