デストイレ


 クソ適当なあらすじ――ベトナム戦争帰りの兄貴の元に弟がトイレで変死したという報せが舞い込む。兄貴は弟の変死の謎を追うためにトイレに向かった。


デストイレはオープニングから「漏れちまうぜ」と頭髪の薄い親父(弟)がトイレに座る所から始まり、謎の嘔吐のような呻き声がしたかと思うと便器からシャキーンと現れた刃物に襲われ「アーオオォォッッ!」と叫びながら親父が明らかに痛くないようにゆっくりと床に倒れ込み、ほんのりと赤く染まる便器の水の上に浮かぶおもちゃの目玉二つというツッコミ所だらけでスタートする全く怖くない低予算映画ですね。


 髭面の太っちょ兄貴が今作の主人公ですが、どう見てもそこら辺の店で買った迷彩服に身を包み、特に必要も無いベトナム戦争帰りの設定にムダが多いカメラワークで眠気を誘う高等テクニック。

 何故かあるブツブツな荒れたお肌のネットリしたヒゲ剃りシーン。

 電話口の相手を表現するための「ウェウェ、ウェウェウェウェ」という別にあっても無くても問題なく正直言うといらないかなぁという演出。

 オメェその工具をトイレのどこに使うつもりなんだと工具ガチ勢が黙っていない適当なトイレ修理シーン。

 お気に入りなのか十手みたいな武器を「ショワショワショワショワ」の宇宙刑事シャイダーのミラクラーも唖然としそうな効果音と共に手を交差する同じシーンを連続で六回近くは繰り返す別にいらねえしつこい演出。

 なんか本人は因縁ぽくカッコよさげな台詞を吐きまくるが視聴者側は「はぁ、さいですか?」感がハンパない演技力。

「舐めてるのか?」とキレるエクソシストの親父(でもこの親父もちゃんとおかしい)

 火を吹くトイレ。

 極めつけはエンドロールテロップに「放屁音は本物を使っています」といういらない情報。


 まさに文字通りのクソ映画であるが、何かカルト的な人気があるらしくII、III、ファイナルの四作も作られている存在自体がツッコミどころ満載である映画ですわ。

 IIでは何故か兄貴がF1レーサーになってるようですが、僕はもう一作でお腹いっぱいどころか腹下してしまったので視聴を断念しました。


 誰か、このエッセイで観たいなと思った勇者がいらっしゃれば、II以降の感想を頼みます(丸投げ)。ウン、たぶんいねえよそんな奇特な人。

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