地獄の警備員


 地獄の警備員は黒沢清監督の1991年のスリラー映画です。バブル期の商社を舞台にし、女性社員の秋子と元相撲取りの警備員富士丸が主人公(富士丸役の松重豊さんが主演と書いてあり並び順は秋子が先なのでどちらも主人公のはず)


 孤独のグルメで有名な松重豊さん(本人はあまり好きではないらしいけど)を始めに大杉漣さんや内藤剛志さん等、俳優さんもかなり豪華(だけど、当時は低予算で作ってるらしい)


 当時190cm超えの高身長巨漢(今は身長縮んでるそうな)の松重豊さんの殺人鬼役は不気味さと有無を言わさぬ力強さがあり、巨漢を表すためか椅子に座っている演出が序盤は多かった印象。台詞はかなりボソボソと喋るのでイヤホンが無いと聞き取るのはなかなか難しかったですね。


 殺害方法はハンマー撲殺を主として配電盤電気ショック、蒸気パイプ壁連続叩きつけ、ロッカー圧縮タックルと海外の殺人鬼にも負けないパワープレイを見せてくれます。元相撲取りの殺人鬼でかなりの痩せ型なのが逆に異質さを出してましたね。今の松重豊さんの面長な顔とは若干違う少しだけ肉付きのある顔で場面によっては無表情なオードリー春日さんにも見えました。


 90年代特有の映像演出も多くて、当時の空気感というのも味わえますね。個人的にはトランスフォーマービーストウォーズのワスピーターの声優さんの加藤賢崇さんがいたっぽいのが驚きでした(エンドロールの最後に友情出演枠でクレジットされてた)


 不気味な雰囲気でパワープレイをしまくる松重豊さんを観てみたい方にオススメですね。血みどろなスリラー耐性があればですけど。あと、大杉漣さんの存在感が凄い。あらためてとんでもない役者さんだったと再認識しました。

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