「刀剣男子」よ!呪いの玄関を開け、配達員や検針おばさんたちの死の謎を解くのだ!

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 「刀で身分がわかる」そんなことをいうから、玄関先でバブルさんが暴れるのだ~!バッサリ!

「母ちゃん?もう、関係ない人を殺しちゃダメだぞ?」

 高校3年生の、彼。

ただ今、「刀剣男子」の「推し」になっています。

刀剣は今、アニメ作品などとコラボでシンクロ率急上昇。

「まあ、俺は、聖地巡礼派だが…」

彼は、平安末期から日本刀作りが盛んな備前(びぜん)にも出向いた。

日本刀で国宝指定を受ける100口(ふり)超の刀のうち、半数近くが備前の刀。

「備前長船(びぜんおさふね)」など、長船(おさふね)地区には名刀が多い。

他にも、「山鳥毛(さんちょうもう)」という愛称をもつ「無銘一文字」が有名か。戦国時代の、上杉謙信が愛用した日本刀だ。

「刀剣…。身分証のパワーも、あったな」

その通り。

日本刀には、社員証の意味もあった。

「あの人の刀は、刃が長い。位が高いな」

みたいな。

ツバ、サヤ、ツカがどういう材質かでも、位がわかるという。

便利だ。

城や屋敷の門番は、そこを通る人の刀を見るだけで、怪しい人かどうかわかるから。

「いくぜ、刀剣男子!」

今日彼は、神社で刀剣見学。

真剣に、のんびりと…。

が…。

急いで帰宅。

「ただいま!門限を忘れて…あれ?」

家の玄関が、開かない!

家の外には、配達員らしき人たちが切り殺されて転がっている!

扉越しに、母親の声が響いてきた。

「ひひひ…。刃の長い刀を持たない者は、身分が低い。殺す」

呪いか?

おかしくなっている。

「か、母ちゃーん!」

強引に玄関を開け、彼が見た母親は…!

60㎝は超えそうな長い刃の刀を持ち、メンヘラ顔で立っていた。

「母ちゃんは、位がたっけえなあ!」

「ひひひ…。あたしよりも身分が低い者は、殺しますよ♥️」

これじゃあ、 配達員たちが死ぬわけだ。

配達員たちは、働かなくてもバブルおばさんとはちがい、身分の低い人たちだもんなあ。

「そうだ」

 神社の人にきてもらい、お払いをしてもらうことになった。

母親は、通常どおりに戻った。

 が、配達員の非正規お兄さん、メール便を持ってくる非正規おばさん、営業の非正規おじさん、夕刊を配達にくる苦学生、ガスや水道料の検針非正規おばさん、合計5人の死者が出た。

この呪いの原因は、何?

「あ、それは!」

母親が持っていた刀は、でかいうまい棒!

近所迷惑な刀剣親子には、ご用心。





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