27 再会

side 日野ソフィア


尾場瀬ちゃんと別れ、電車に乗ると、突然姿を見せなくなったあの子の姿があった。


「羽ちゃん‥!」

「…ソフィアさん。

そんな深刻な表情しないでくださいませんか」

「だって、突然いなくなるから。」

「会う機会がなくなっただけだと思うけど?」

「まぁ、それはそうかもしれないけど〜!

せっかく会えたんだし〜?」

「お茶はしませんわ」

「え?」

「用事がありますの」

「どういう感じの〜?」

「塾ですわ」

「今年受験生だもんね。どこの大学目指してるの〜?」

「ソフィアさんと同じ大学ですわ」


羽ちゃんは、目を瞑って、淡々と話した。

私が行く大学が志望校で、嬉しい。

もし、羽ちゃんがそこに合格したら、今まで関わらなかった空白の期間を越すぐらい一緒にご飯を食べたり、テスト勉強をできるだろう!

そう考えると、少し心が温まった。


「なんでそんなに嬉しそうなの?」

「さあ〜?」

「そういえば、尾場瀬はどこの大学目指してるって言ってましたか?」

「羽ちゃんと同じところだけど〜!」

「…マジか」

「いいじゃない〜!一緒にご飯食べれるし〜!」

「いやいや、気まずいわ」

「好きな人が被るくらい仲が良いくせに〜!」

「それは仲が良いとは言い難いですわ」

「まぁ、それはそっか」

「好みのタイプが同じってこと」

「やっっぱ、仲良いじゃない〜〜!」

「違うって」


今度、尾場瀬ちゃんと羽ちゃんとお茶をしたいな〜!きっと、二人はドギマギしつつも、時間が経てば、冗談を言い合える仲になれるだろうな。

だって、好きな人が被るくらいなんだし、二人がただトゲトゲしてるだけで、本当は仲良くなれる同士だろうし〜?


「なんでそんなにニヤニヤしてんの」

「顔に出てたかしら〜?」

「うん、めちゃくちゃ出てた。

私になんかさせてやろうって顔してた。」

「そうね!今度、尾場瀬ちゃんと羽ちゃんと私の3人でお茶しようとか思ってたわ〜!」

「遠慮しときます」

「強制参加だから、拒否権ないわよ〜!」

「絶対嫌。尾場瀬も嫌だろうですし」

「尾場瀬ちゃんは嫌じゃないわよ?」

「そんなことないと思いますわ」


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