21 尾場瀬あおの大きな悩み
side 尾場瀬あお
最近、私には大きな悩みがある。
山よりも大きい、悩み。
それは、
とある後輩に追いかけ回されていることだ。
「せんぱい!一緒に初詣行きましょう!初詣!」
「予定あるから無理」
「りりあ先輩ですか!
それとも、七海北城高の人ですか!」
「な、なんでそれを…」
彼女の名前は、
学年一で成績が良いらしく、バスケ部に入っていて、大会で何回か優勝している。
そんな彼女がなぜ、私に固執しているんだろう?
それがずっと謎で仕方がない。
「わたし、
せんぱいをストーキングしてるんです!
だから、せんぱいの全部知ってるんです!」
「ストーカー規制法違反…」
私がスマホを持ち、通報をしようとすると、
千都世に止められる。
「うわ〜!!!待ってください!せんぱい!
悪意なんてないし、敬意しかないんです〜!」
「尊敬してる人間はストーキングなんてしないし…」
「よく漫画で見るストーカーと違って、
せんぱいを恋愛的に好きだなんて思ってないし、尊敬しかしてないんです!」
「じゃ、じゃあいっか…」
「やった〜!!!!!!!愛してます!!」
「さ、さっき恋愛的に好きじゃないって…」
「違います!!!冗談!冗談!!!
冗談通じてください!!!!」
寒気がしてサッと私は逃げた。
千都世は慌てて私を追いかける。
こんな騒がしい日々も悪くないかもしれない。
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