16 なんで知ってるの?

「なんでりりあちゃんのことを知ってるの?」

単純にこれだけは言いたかった。

なぜ、羽川さんがりりあちゃんのことを知っているのか。


「友達だから知ってるの」

「…りりあちゃんが私のことを羽川さんに話してたってこと?」

「察しが良くて助かるわ

そうね、小鳥遊さんのことを井堂はひとめ…」

羽川さんは、なぜか途中で言うのをやめた。

「ひとめ?」

「ひとめがなんだって〜?羽ちゃん!」

ソフィアは、尾場瀬さんをおちょくってた時のように、羽川さんもおちょくる。


「あんた馴れ馴れしいわ」

「羽ちゃんより年上の三年生なんだけど〜!」

「歳なんか関係ないわよ」

「話が脱線してるよ、二人とも」

私が注意すると、羽川さんはソフィアをみた。

「尾場瀬さん、ソフィアさんと二人だけで話をしたいんだけどいいかしら?」

「…いいけど?」

「な〜に?私のこと好きなの〜?」

「そういうのじゃないわよ」

羽川さんは食い気味に否定した。

今なら、ソフィアからの煽りにキレる人達の気持ちが分かるかもしれない。


5分後、

羽川さんとソフィアは私がいる所に戻ってきた。


「まさかね〜あの子がね〜ああなんてね〜!!」

ソフィアはニヤニヤしながら大きな声で

独り言を喋った。

「あんた、ここが図書館だって分かってる?」

「…気をつけます」

「やっと反省したわね」

羽川さんはふっと嘲笑った。

「とりあえず、図書館を出ましょう」











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