15 日野ソフィアの恋愛講座

side 小鳥遊みずき(ことりさん)


私は、ソフィアと勉強するために図書館に来た。

勉強するために…来たはずなんだけど


「さて、みずき。」

「えっと、なに?ソフィア」

「あなたは恋愛をしたことがなくて、まだ奥手なのかもしれないけど、そんなちんたらしてると、りりあちゃんが他の人にとられるよ〜」

にいや、でも…

りりあちゃんが私のことを好きなわけないし、私は好きだけど、言わない方が何も苦しくない。

ずっと、友達という名であの子の隣に居続けられるし。」

「ああ〜〜もうちゃんと自信持って!!

そんな奥手なみずきのために、恋愛経験豊富な私が恋愛講座をしてあげるわ!」

「ええ…」

「快くして聞くこと!」


「まず、尾場瀬ちゃんは絶対りりあちゃんのことが好きだと思うのよ〜!」

「なんでそう思うの?」

「りりあちゃん以外に怒りっぽくて、りりあちゃんには甘い対応!」

「確かに、そう思う部分はあるけどさ」

「いや、尾場瀬ちゃんは絶対りりあちゃんのことが好きなの!絶対!」

「う、うーん。

まぁそう言うことにしとくけど、それで何が言いたいの?」

「早くアタックしなきゃダメだよ、みずき」

ソフィアは真剣になった。

「うん、そうだよね!」

「告白する日はいつでも良いと思うけど、

あんまり日があかないようにね〜!?」

ソフィアは目をすごく開いて、大声で言った。


「ちょ、ここ図書館!ソフィア、小声!」

「図書館とかどうでもいいわ!

みずきに伝われば〜!!」

ソフィアは時々こういう感じになる。

何かが夢中になると、

周りのことが見えなくなっちゃうんだろうなあ。

なんて思っていると、


背後からソフィアの肩を、

椎学の制服を着た女の子が叩いた。

「あなた、うるさいわ」

「あら、ごめんなさい〜悪気はなかったのよ」

「悪気はない?あるでしょう?

全く、七海北城高の生徒は騒がしいヤツしかいないのね。呆れたわ」

「えっと、あなたは?」

私がそういうと、女の子はため息をついた。

「あなた達に名を名乗ることなんてしないわ。」

「名札、制服に付いてるから分かるよ〜!

羽川はかわさんであってるかしら?」

「…あなた結構めんどくさいわね」

「私は、日野ソフィア。

隣にいるのは小鳥遊みずき。あなたは?」

「私は、羽川ななですわ。

小鳥遊さん、少し聞きたいことがあるんだけど、

質問いいかしら。」

羽川さんはより真剣な表情になる。


「井堂りりあって知ってるかしら?

いや、知ってるわよね」

「え?」

「なんであなたがりりあちゃんを知っているの?

もしかして、みずきのストーカー!?怖いわ!」

「そんなわけあるわけないでしょうが」

「可能性はあるわ!」

「ないわよ!」

「ある!」

二人は大声で言い合っている。

他の人からしたら迷惑すぎる。


「あの〜…ここ図書館なんですが」









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