12 考えちゃだめなのに

※少し性的描写が含まれます。


Side 小鳥遊みずき(ことりさん)


薄らとりりあちゃんの姿が見える。

彼女が笑っている。

「りりあちゃん」

私が名前を呼ぶと、こっちを向き、

彼女はさっきよりも笑い、言う。

「ことりさん!

私、言いたい事があるんです。」

彼女が真剣な顔になる。

足がもじもじしている。

「どうしたの…?」

「私は、ことりさんのことが…」


夢から目が覚めると、

私はりりあちゃんの膝の上にいた。

変な夢だ。

しかも、途中で終わるなんて、

めちゃくちゃ気になってしまう。

何を言おうとしてたんだろう。

まぁ、夢だから

自分の気持ちが表れてるだけかもしれないから

なんでもいいんだけど。


私がそう考えていると、彼女も起きたようだ。

「ことりさん…?」

「おはよう、りりあちゃん」

「今、何時…です…か?」

「19時。お風呂入る?」

「お風呂…一緒にですか?」

「いやいや、女子高生二人でお風呂なんて…

小学生の頃は人と一緒に、気軽に入ってたかもしれないけど今の年齢で一緒に入るなんて、ちょっと恥ずかしいし、」

一緒にお風呂なんか入ったら、心がドキドキして、正常にいることなんて無理なんだから…


「あはは、ことりさん照れてるー」

「照れてないし。

一緒にお風呂に入る事なんて余裕なんだから」

「じゃあ、一緒に入りますか?」

「いや…それはさ」

「余裕、なんですよね?」

「はい…」

「じゃあ、入りましょ」


りりあちゃんがそう言った瞬間、

私の脳内で考えてはいけないことを考えてしまった。



彼女の胸ってどれくらいあるんだろうとか、

乳首をいじったらどんな反応するんだろうとか、

穴に指を挿したらどんな顔をするんだろうとか

ビクビクするのかなとか…‥

いやいや、そんなことを考えちゃだめだ。

しかも、純粋な後輩でそんなこと…

ああ、私の性欲って怖い。

彼女はそういう気一切ないのに。


「ことりさん、どうしました?」

「いや、なんにもない〜

ちゃちゃっと入ろう」

私がそう言うと、

彼女は洗面所に行き、服を脱ぎ始めた。


「ことりさん〜!お風呂入らないんですか?」

「りりあちゃんが脱ぎ終わったら向かうよ

先に行ってて」

「わかりました」

心の準備がまだ、できてない…

てか、そもそも目を開かなかったらいいんだ。

そしたら、変な想像をすることなんてないし…

いや、もし触れてしまったらどうしよう。


なんて考えていると、お風呂場の扉が開いた音がした。

「もういいや、何も思わなければいいんでしょ」


私は、洗面所に行き、服を脱ぎ始めた。

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